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No3 ぼくだけ家に帰れない
『モモさんいいところに来てくれました。』
『あら モグモグじゃないの お久しぶり!』
『ホント お久しぶりです。良かった。ぼく一人じゃどうしていいのかわからなくて困っていたんですよ。力を貸してください。』
『モグモグにとっては ここは天国みたいな所じゃないの。ここを棲み処にしているんだったら 手を貸すようなことなんて何も無いと思うけど。』
『いえいえ ここは何か変なんですよ。仲間と一緒に来たんだけど なぜかぼくだけが家に帰れなくなっちゃんたんです。』
モグモグの話によると モグラが家に帰る場合 自分の作ったトンネルを通っていけば必ず家に帰れるはずなんです。ところがどこをどう行き来してもモグモグだけが家には戻れず 今いるこの場所に戻ってきてしまうと言うのです。それだけではありません。雑木林に霧がかかり始めていて その霧は濃くなるばかり。この場所も段々霧に覆われてしまいそうなのです。でもあれは普通の霧ではないような気がする とモグモグが言うのです。
『えっ 他の仲間は家に帰れたのに モグモグだけが帰れない? えっ 霧に覆われる? 一体どういうこと?』