No38 最終話 ドアチャイムに導かれて
今日の散歩は充実してたわ。久々に会えた仲間も多かったし。
あっ 左門虎さんちだ。おっ ミケがいますね。ちょっと挨拶して行こうかな。
『久しぶりだね ミケ 元気にしてた?』
『あら モモちゃんじゃないの。私は元気よ。
ついこの間 この家のおばあちゃんが亡くなっちゃったの。みんなからハルちゃんて呼ばれてた人なんだけど。』
『そうなのか それは寂しいね。オチビさんのマーチルはどうしてる?』
『おばあちゃんがいつも作ってくれたケーキをお母さんと一緒に焼いたりして 元気にしてるよ。』
『あっ お客さんが来たみたいだよ。
あれっ ドアチャイムが鳴ったね。前からこんなの玄関についていたっけ?』
『あっ これね。おばあちゃんのお部屋を片付けていたら出てきたらしいの。い つどこで買ったのかは誰も知らないけど 可愛いいから取り付けたみたい。』
『ふ~ん いい音だね。なんか懐かしいって感じがするよ! どうしてかな?』
『モモちゃんもそう思う? そうなのよね。私もどこかで聞いたような すごく懐かしいような気がするの。』
それはとても軽やかでキラキラした音色のベルの音でした。