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S-02 女同士の約束が いかにもろいか思い知らされた瞬間
気の滅入る話
桜の花が満開だったそんなポカポカとした気持ちのいい日のこと。カズコさんとミチコさんが私のテーブルの所に遊びに来てお母さんも加わりました。私も含めたガーデンガールズ仲良し四人組の会の始まりです。この人達の話がとても長いことはもうお話し済みですね。特にお花の話なんかで盛り上がるともう止まらないの。どうして飽きないのかしらねえ。
その時急にカズコさんが言ったの。
『モモちゃんは相変わらず若々しいわね。ところで モモちゃんていくつになったの?』
こんな質問をされて私は飛び上がる程に驚いたわ。だって何の脈絡もなく唐突に聞くような質問じゃないでしょ。そんな気の滅入る話はやめてよ!
『今年で四才になるところかしら』とお母さん。
ところが カズコさんがそれは違うって言い出したの。今は五歳くらいで もうすぐ六歳になるはずよって。お母さんたら写真まで持ち出してきて それで生年月日がわかっちゃったの。
ひどいわ お母さんたら本当にひどい。女同士の約束がいかにもろいかを思い知らされた瞬間だったわ。年令の話になったらお互いアバウトで行こうねって約束したでしょ。(あっ 約束はしてないか・・・。)
お母さんの年齢の数え方が好きだったの。三十歳と120カ月とか それから四十歳と130カ月とか そうこうしているうちに 月数が膨大になりすぎてもう計算できないんじゃないかな・・・
とにかく私シバイヌモモは 誕生日は十月七日 永遠の四歳ちょっとくらいにしておいて下さい。お願いします。