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No8 消えつつあるハルちゃんの記憶
花の国の女王様が優しい口調で二人に話しかけてくれました。
『ハルちゃんは本当にお花が大好きだったわね。お庭の手入れもよくしていたし それにお料理が上手でいつもたくさんの人たちを楽しませていたわ。でもね 残念だけどハルちゃんの記憶も意識も段々遠のいてしまっているの。あんなに好きだったお花の名前も全部忘れてしまいそう。
それにハルちゃんの作る美味しい料理のレシピも ハルちゃんの記憶の中から消えつつあるの。
『えっ 嫌だよ そんなの。ハルちゃんはいつかきっと目を覚ますよね。』
『そうよ また一緒にお庭の散歩するもん。綺麗なお花を見てまわるもん。美味しい料理だってまたごちそうしてもらうもん・・・・』
『そうね そうあってほしいわね。でもそれは私にもわからないの。でもねハルちゃんを元気づけるためにあなた達のお手伝いをさせてもらいたいと思っているの。まずは仲間を呼びましょう。手伝ってくれそうな人を思い浮かべながらこのドアチャイムを鳴らしてみて。このチャイムをしばらく貸してあげますからね。』
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