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10 動物病院にて

ガーコの病状

 次の日アキ子さんは動物病院にガーコを連れて行きました。珍しい患者さんにお医者さんはずいぶん驚いたようです。
『そうですか。迷いアヒルですか。何があったのかはわかりませんが、左の足首の付け根に怪我を負っていて、左足全体が腫れています。これは急にできたような物ではありませんね。何かに擦れてただれてそこからばい菌が入ったのではないかと思います。例えばですが狭い鳥かごのような所に無理やり入れられていたとか。それからそのばい菌のせいで熱も出ています。怪我をした場所を治療してみましたが、完治は難しいと思います。歩く時にはどうしてもびっこを引いてしまうでしょう。
 飼い主が見つかるといいですね。でもこれはあくまでも私の想像ですが、怪我が悪化してしまって手に負えなくなり 世話をするのが面倒で捨てられたのかもしれませんね。そうなると飼い主を見つけるのは難しいかもしれません。』
 ガーコの足に包帯が巻かれました。飲み薬ももらいました。しばらくは外に出さないようにとお医者さんに言われ サンルームがガーコの静養場所になりました。びっこを引きながらも毎日少しずつ元気を取り戻していき それから何度かお医者さんの診察を受けたガーコは春風が吹く頃にはアキコさんの家の周りを我が物顔で歩きまわれるくらい元気になりました。相変わらずびっこを引いていますが、そんな事はちっとも問題になりません。お尻を振り振り歩く姿がかわいいとご近所中で評判になりました。

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