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第5話 ”夢食い虫”からミノリョンを助けなきゃ

森の精の国へ

 マギーナはミノリョンに呼びかけながら 辺りに向かって大きな声で助けを求めました。
すると木々が一斉にざわつき始め 森の精が近づいてきたのです。
『お願いです。ミノリョンを助けて下さい。もしかしたら ”夢食い虫”に襲われたのかもしれません。さっきミノリョンの頭の上を何かがブンブン言いながら飛んでたんです。』
マギーナの話を聞いて森の精は 網カゴのような形の物を運んできました。それは木の枝やツルで編まれた帽子でした。それをミノリョンの頭にそっと被せたのです。
『それは”夢食い虫”に間違いないだろう。あの虫は人間の見る夢 特に子どもの見る夢が大好物なんだよ。早く虫を捕まえないとこの子は一生夢を見ることができなくなってしまう。』
それを聞いてマギーナは思い切り顔をしかめました。だって夢が見られないなんて事 あってはならないことでしょ。
『この帽子でミノリョンを助けられるの?』
『見ててごらん。この帽子はとても良い香りがしてね、夢食い虫の身も心もとろけさせてしまうんだよ。何もできないはずだ。』
その言葉通り虫がフラフラしながら出て来ました。そして森の精に思い切りしかられてスゴスゴと自分の世界に帰って行ったのです。
 無事に目を覚ましたミノリョンは森の精にお礼を言って それから大きな手袋の持ち主を知らないかたずねました。分かった事といえばこの国にはそんなに大きな手袋を持つような人はいないということだけでした。それで次はお肌ツルツル族の所に行ってみてはどうかと言われました。

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