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9 助けてもらったね

ガーコと名づけられたアヒル

 アキコさん一家はサンルームに大き目の段ボール箱を用意して新聞紙をいくつもふんわりと丸めたり、千切ったり 短冊切りにしたりして中に入れ、弾力のある暖かい敷物を作りました。そこにアヒルを注意深く入れると今度は 水とイクラ用のドッグフードを用意してみました。喉が乾いているようなのですが、自分ではうまく水を飲むことができません。お母さんがスポイトを使って水を嘴の隙間から垂らすようにして入れてやると少しずつですが飲む事ができました。今度は柔らかくして温めたドッグフードの入ったスプーンを嘴に近づけてみると自分から口を開けて何とか食べようとし始めました。そんなにたくさんではありませんでしたが、食べることができただけでも良い兆候です。まずは一安心です。イクラもサンルームに入ってみんなと一緒に心配そうにアヒルの様子を見ていました。
イクラにお母さんが言いました。
『今夜はこの子のそばにいてあげて。明日病院に連れて行くから。』
 アキコさん一家はみんなでワイワイ言いながらアヒルに名前を付けることにしました。色々な案がありましたが、ガーガーと鳴くからという理由でガーコと名づけられました。やがてサンルームの灯りが消されてガーコは暖かい箱の中で眠ったようです。イクラもその箱のすぐ横で眠る事にしました。ガーコの立てるかすかな物音にもすぐに反応して耳をぴくっとさせていたイクラもそのうちに安心したのか うとうとし始めました。そして快い疲れがじわっと体中に広がりいつの間にか深い眠りに落ちていきました。これがイクラとガーコの出会いです。

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