S-20 傷つく一言より いやしの一言を
痛みの一言より なぐさめの一言を
お家の近くを流れる川をそのままさかのぼって行くと 甲斐犬のイクラや マルチーズのユキそれにアヒルのガーコの住むアキコさんの家があります。
その横にキミジカ爺さんとハナズキばあさんの家があります。これはイクラに聞いた話です。
キミジカ爺さんはとても気が短くて木や花を植えても 花がなかなか咲かないとか 実をつけないとか言って そういう草木をすぐに切ってしまうんです。ハナズキばあさんが植えたネムノキがヒョロヒョロながら ようやくきれいな花を咲かせ始めた時に 大木になるような木はいらないと言って ハナズキばあさんが止めるのも聞かずにバッサリ切ってしまったとか・・・
そのキミジカ爺さんのおうちにはとても甘くて大きな実をつける柿の木がありました。ある年のこと 柿の実がひとつもならない事がありました。キミジカ爺さんは怒りました。
『いいか よく聞け 来年も実をつけないようならバッサリ切っちゃうからな。』
そう言って木を脅したらしいのです。それで次の年 どうなったかと言うと いっぱい実をつけたんだそうです。これでもかこれでもかっていうくらいたくさん実をつけたそうです。それでね その後どうなったかというと 力尽きてしまったのか その時を最後にその木は枯れてしまいました。
悲しかったんじゃないのかな。病気だったのかもしれないし、もしかしたらお年だったのかもしれません。とにかく温かな言葉を必要としていたんだと思います。それなのに切っちゃうぞなんて言われたから 心が折れちゃったんですね。
有名な牧師さん(Susumu Kohno)の言葉の中にこんなのがあった気がします。
どんな不幸を吸っても 吐く息は感謝でありますように
傲慢な一言より 謙虚な一言を
傷つく一言より いやしの一言を
痛みの一言より なぐさめの一言を・・・・