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人生で唯一の正社員面接
まともな感覚の人なら
「正社員面接受けたのが人生で1回だけ!?そりゃ非正規雇用抜け出せるわけねーだろ」
と思うだろうけど、私は発達障害者で、この面接の翌年にうつ病を発症する人間なのである。
だから、これでも頑張った方だ。
2019年
2月にうつ病になったきっかけのショッキングな事件があったものの、私は「平気平気」と自分の心を誤魔化していた。
「アラサーだし、そろそろ正社員にならなきゃね。去年の結婚相談所での申し込み1件だけだったし。結婚するには正社員にならなきゃ。結婚したらどうせ辞めるけど。」
↑
100%男目当てで正社員を目指すことに。
まずは就職支援センターへ。
「5月に某百貨店で就職フェアがありますよ。」
この帰りにドッと疲れて、タクシー🚕で帰らなかったことを後悔した。
(もしかしたら、これがうつ病の症状第一弾だったのかもな)
5月
就職フェアへ。
当時はまだ9号のスーツが入ったし、化粧も下手だった。
1社だけ良さそうな企業があって、行ったのはそこのブースだけ。
「正社員といっても、うちはオンラインショップの編集とメダカの世話だけなんだよね。」
ここに決めた。
そして、また就職支援センターへ行き、履歴書の添削をしてもらった。
履歴書用意、電話をかけて面接予約。
履歴書の他に持ってくる物は健康診断結果コピーと最終学歴の学校の卒業証明書。
卒業証明書は休日に往復4時間かけて取りに行った。
(専門学校は超遠距離通学だった)
本当は取りに行きたくなかった。
既婚者パートの面接ならともかく、この歳で独身でこれから正社員を目指すなんて恥ずかしくて…
後日、地図アプリで会社の場所を確認し、私服で実際に行ってみた。あの時はタクシー🚕を使ったかな?
その夜、父に
「あの会社は車🚗がないお前には無理だ。駅から遠過ぎる。」
私は採用されたら、駅までの道のりはタクシー🚕を使う予定でした。でもケチの父にそんなことは言えず…
面接当日
いかにも正社員って感じの女性がお茶🍵を入れてくれた。彼女のスペックなら婚活楽勝だろうな。
面接官は履歴書を見るなり
「君の経歴はうちじゃ使えないんだよね。食べる魚とペットの魚って別物でしょ。うちは品種改良部門しか募集してないよ。メダカの世話はパートさんにやらせてるからね。」
就職フェアでのあのスマイルはなんだったんだ!?
品種改良の話をされて、大学出てない私は全くついていけなかった。
その帰りは徒歩で駅まで。
夏だし、道順を覚えていないこともあって、地獄のような数十分だった。
「こりゃタクシー🚕通勤じゃないとダメだわ。とはいっても、確実に落ちてるだろうけど。」
後日、不採用通知が届いた。
他に正社員を募集してる企業は1ミリも良いとは思えず、受ける気になれなかった。
面接の翌日はメンタルが疲れたので、休んだ。
私は方向転換して、パートしてる会社の正社員試験を受けることにした。
すると、お局ババアが
「あんたが正社員になれるわけないでしょ。ここは大卒しか採用しないから。」
↑
大嘘。高卒の正社員が何人もいるじゃないか。
だが、ここでお局ババアに逆らうことは社内での死を意味していた。
私「なら、他の会社で正社員目指しますね。」
その1年後、私はうつ病を発症し、正社員や婚活どころではなくなった。