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花調酔之奏(はなしらべよいのかなで)〜花酔譚
寡黙で義理堅く、慈悲深く優しい愛妻家。
ハナヨイさんを影となり日向となりむちゃくちゃ支えてくれるギンジさんのお話&人となりはこちら。
→(profile)旧二番隊副隊長ギンジ・旧十番隊副隊長タミコ・ヨシコ
お料理上手なタミコさん(ジャンニさんがタイプでいてくれるらしい✨️)、節約上手なヨシコさん(ファンファン隊長がタイプ♡)
のお話もあります♡
(by スレッジ稚内様)
幕間其の五~(profile)旧二番隊副隊長ギンジ・概要
ちょうど任務報告に来ていたアサヒとハナヨイは、顔を上げたヴァサラの視線先を振り返った。
と同時に警報音が鳴り響く。
「敵襲!敵襲!」
声がしたかと思うと、遠く視線の先に伝令係が現れた。3人の元に駆け寄り片膝をつく。
「どうやら各隊、奇襲を受けている模様です!」
「模様ですってのはどういうこった。敵の規模とかどこの隊が奇襲を受けてるとか、もうちょっと分かることはねえのかよ」
伝令係は、アサヒの質問に言葉を詰まらせる。
「それがその…隊員が少しずつ消えていっているということで…」
「そりゃ本当に敵襲なん…」
「敵襲だぜ」
アサヒの言葉をハナヨイが遮った。
「あっちから吹いてくる風にゃ血の匂いが混じってる」
森に向かう方面を指さす。
「『海百合党』か」
ヴァサラが呟いた。
「こんな闘い方をするのは、あの忍者軍だ」
息を呑み、続く言葉を待っていると、ヴァサラは弾んだ声で嬉しげに言った。
「宴といこうか!これは面白い相手だぞ!」
マントを翻して駆け出す。
「…っておい!ヴァサラの旦那!こういう時あんたが先陣切んのはおかしいだろ!」
アサヒが言う間にも、ヴァサラの背中はぐんぐん遠くなる。
「おいアサヒ。アタマが行くってんなら俺らは護衛するしかねぇ。早く行かねぇとヴァサラを見失っちまうぜ」
言うなり肩にかけていた江戸紫の鉢巻で目隠しをする。ヴァサラの後についてハナヨイも駆け出した。
「あぁくそ!」
アサヒは頭をガシガシと掻くと、
「そういやカナデ!お前いい加減に総督の呼び捨てやめろ!」
言いながら、ハナヨイを追った。
追いついた場所にいたヴァサラは、2人を見るとシッと指をたてた。
イタズラを仕掛ける少年のように、その表情はイキイキしている。
直後。
忍者装束の人間が、ボタボタっと木から落ちて来た。続いてヒュッと風が鳴る。
ピシパシと音がして、裂けたり切れたりした葉が3人の周囲を舞った。
目の前のヴァサラはゆったりと立ち、満足そうな笑みで頷いている。
0.1秒にも満たない間に周囲の全忍者を攻撃し刀を納めたことが、ハナヨイには分かった。だが目隠しをせず視力に頼っていたなら、全く動いていないヴァサラの周りに何故か、次々と人が落ちて来たように見えたはずだ。
「よし、いい調子だ。次は大振りでいくぞ」
そう言って腕を回すヴァサラは実に楽しそうだ。
この調子だと、アサヒとハナヨイはただ後ろを付いて回り、ヴァサラが敵を殲滅してゆくのを見学しているだけになる。そもそもヴァサラ自体が哺乳類最強戦士なわけだから(ハナヨイ比)、ここに2人もいる必要は全くない。
ということで、どちらか1人だけ残ろうぜという目配せをアサヒにしようとした時だった。
水の香り…?
微かに涼しい香りがした。
「自然界の水」の香りとは明らかに違う、純粋に水分のみの香りだ。
!?
アサヒとハナヨイはパッと視線を交わす。ヴァサラの前に割り入りカサーベルを構えた。
目の前に、忍者装束の男がいた。
敵に姿を晒してから攻撃してくる忍者ってぇのも珍しいな。
意外に思いながらも、ハナヨイは、次の一太刀のために刀に手をやる。
鞘に手が触れて、そこに巻き付く鎖がチリっと音を立てた。
瞬間、男が飛びかかって来た。
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…こりゃまた性急だねぇ。
刀を鎖で受け止めたハナヨイは違和感を覚えた。
今別段、男にとって有利な状況になった訳ではない。
なのに音がしたこと自体に反応し、反射的に攻撃してしまったように感じた。
こいつぁ何でこう余裕がねぇんだ?
海百合党…海百合党か…
矢継ぎ早に繰り出される攻撃をいなしながら、頭の中を探る。
そうだ確か、世代交代に師を殺すってなことを聞いて、ひでぇ決め事もあるもんだと思ったあれか。
取手が掴めれば記憶を引き出せる。
後は…掟が厳しいってぇのと、同門同士の内ゲバが絶えねぇってことと…
…任務に失敗すると、粛清される。
ああそうか。
こいつにゃ結局、殺すか殺されるかの選択肢しかねぇんだな。
男の瞳の奥には確かに、目隠しをしていてすらわかるほど強迫観念の「色」が見える。
…せっかく生きてるってぇのに…酷ぇ話だよ…
キィン
何十回目かの刃が交わった。
今までは斬り返していた刃を、今度は柔らかく受け止める。ハナヨイはそのまま、男の動きにピッタリと調子を合わせた。
さながら磁石のS極N極が引き合っているかのように、刀同士は交わった形を崩さず移動する。刀を引こうとする男はジリジリと後ずさり、木の幹にドンと突き当たった。
刃と刃がギリギリと音を立てながら、男の方へ少しずつ動いてゆく。
「お前さん、こんなもんじゃぁねぇだろう?本気で舞ってくれねぇと、チョーンと首が飛んじまって、キレーな血の色を見ることになるぜ?」
2本の刃が、男の首元まであと少しの距離にまで迫った時。
「浜の極み『真閃一貫』」
男の言葉と共に、辺りにフワリと水の香りが漂った。
「見隠の握り《蛸》」
極み技が聞こえたかと思うと、瞼の向こうに感じていた光がサーっと消える。辺りが真っ暗になり、何も見えない状態になったらしかった。
ウキグモの雲の極み、「曇天」みてぇなもんか。
にしても、ここまで来ても一息に殺そうたぁしねぇとはなぁ。
殺らねぇと自分が殺されるってんのに、俺1人殺す程度そうも決心がいるかい?
ハッとため息をつき、苦笑いをした。
お前さん、殺しの稼業にゃてんで向いてねぇよ。
その時ハナヨイの頭に、ちらと記憶の光が灯った。
こいつに似たヤツにどっかで会ったかな…。
同じように、細い目で優しい男を知っている気がしたのだ。
記憶のページをザッとめくってみるが、それらしい仕事は見当たらない。
…気のせいか?
頭を振ると気を取り直し、男の元に進みつつ話しかけた。
「俺が目隠ししてんのを見てたじゃぁねぇか。辺りを暗くしたって意味ねぇってぇのはお前さんもわかってんだろ?」
「速駆の握り《鮪》」
返事の代わりに極み技名が聞こえる。
男の気配がふっと消え、背後に再現した。刀が振り下ろされたのを受け止める。
「こう言っちゃぁなんだが、俺ゃ際立った速さや力ってなモンは持ってねぇんだ。体格にも筋力にも恵まれちゃぁいねぇ。けど五感だきゃぁ誰よりも鋭くてよ。おかげさんで、他のヤツが見えねぇモンも見えることがあるってな訳だ」
刀に込める力を調整しながら、男と向かい合う体勢をとる。
睨みつけると、語気鋭く言った。
「一思いに殺りゃぁいいじゃねぇか。俺より一回りもデケェ体を持つお前さんの方が、接近戦になりゃ有利に決まってる。さっきから何回この体勢になったよ。ほら、さっさとこのしゃ首掻っ切って帰れ」
頸動脈がよく見えるように顎を上げた。
煽られた男は、止を刺すために刀を引こうとして尚も躊躇う。
「よっぽど俺を生殺しにしてぇのか、それとも」
一呼吸置いてから続けた。
「こう近くで顔を見ちゃあ、殺すのは辛ぇかい?」
ハナヨイは息をつくと、微笑んだ。
「お前さん...刺客にしてはなんだか優し過ぎやしねぇかい?」
不安感、焦燥、絶望。
そんな色で、自分を真っ黒に塗り潰しちまうんじゃぁねぇ。
虚を衝くのを厭う誠実さ。
感情を殺さなきゃ罪のねぇ相手を殺れねぇ優しさ。
お前のそいつぁな。
この戦乱の世で、雪を割って咲く梅花みてぇな宝じゃぁねぇか。
なあ。
もう、人も、自分の心も、殺したかねぇんだろ?
俺ぁな。
こんな稼業にいるお前さんが、何とかお前さんのままで踏みとどまっていてくれたことが嬉しいよ。
男の動きが止まる。
刀に込められていた力が抜け、柄を握る腕が下ろされた。
ハナヨイは刀を納め、尋ねた。
「お前さん、何てぇ名だ」
「匁」
それを聞くと言った。
「匁。お前ここで俺に殺されちまえ」
顔を上げた匁に、ニッと笑みを返す。
「お前さんの極みのおかげで今なら人目につかねぇだろうよ。それに紛れて逃げちまやぁいい。俺ゃ二番隊副隊長のハナヨイだ。ヴァサラ軍副隊長に殺られたってんなら不自然でもねぇだろうよ」
そこまで言ったハナヨイは、匁が泣きそうになっているのに気がついた。
慌てて何か拭くものを探し、結局見つからなかったが、落ち着くと笑えて来た。
全く、妙な刺客もいたもんだ。
「…ほら、早く行きな。極みも解けて来ちまったしな」
と肩をポンポンと叩いた時。
背中を袈裟懸けに何かが撫で、続いて熱い痛みが走った。
ジワジワと、痛みと出血の感触が広がる。
「こんちくしょうめ。逃げ傷がねぇことだきゃあ自慢だったのによ」
ハナヨイは独り言つ。
周りは刺客が取り囲んでいたが、向かい合っている匁がやると思っているのだろうか。距離を取り、すぐにはかかって来ない。
こいつら1人たりとも残すわけにゃあいかねぇ。
匁が追いつかれて殺されるハメになるなんてぇのは冗談じゃぁねぇからな。
傷の出血量を考えつつ、匁が逃げ切る時間を稼ぎつつ、なるべく短時間で殲滅させる。そのためにまずは、匁をここから離さなければならない。
ハナヨイは、匁に鋭く囁いた。
「ここは何とでもなる。早く行け」
笑顔を作ると、冗談めかして言った。
「お前1人も逃げさせられねぇとあっちゃぁ副隊長もへったくれもねぇんだよ」
その時、ついに囲みが崩れた。
業を煮やした刺客たちが、一斉に向かって来る。
避けようと動いたハナヨイが痛みに顔を歪めた刹那。
パッと、頬に鮮血が散った。
ハナヨイに迫る刺客の腕を、匁の刀が割いたのだった。
「おい匁!」
ハナヨイの静止も聞かず、匁は刺客たちを次から次へと攻撃する。
刃に何か塗ってあるのだろう。傷を負った刺客たちは立つこともままならず、ふらつき、ぶつかり、座りこむ。続々と戦闘不能になった。
「てやんでぇべらぼうめ!何てぇひょうたくれだ!!」
そう悪態をつきながらも、ハナヨイが匁を見る目は温かい。
さっきまでとは比べ物にならない動きを視線で追いながら、目を細めて呟いた。
「お前さん、熱くてあったけぇ、いーい色になったんじゃぁねぇかい?」
騒ぎに気づいた敵が、新たにやって来た。
それを一巡り見ると刀を鞘ごと抜き、その鞘を上空に放り投げる。
「いっちょ幕開けといくか」
鎖が解ける音がジャラジャラ降って来る中、敵に向かって言った。
「お前さんがた、俺と一指し舞わねぇかい?」
背後は大丈夫だ。匁に任せられる。
俺はこいつらだけ倒せばいい。
そう思った時、今まで考えたこともなかった気持ちがふっと芽生えた。
…背を預けられる仕事仲間がいるってぇのは、心強ぇもんだな。
笑みが口の端に滲んだ。
落ちてきた鞘を掴んだハナヨイは、芝居がかった口調で言う。
「調の極み『拈華微笑』」
刀と鞘を構え、低い声で続けた。
「的了虚…一円相!」
筆で線を描くように、刺客たちの体を刃がスラっと滑る。
跳ぶ者は落ち、地を蹴るものは倒れ、シンと動かなくなった。
「幕引きが早くて悪ぃねぇ」
言い終わったハナヨイは一気に全身の力が抜け、地面に倒れ伏した。
背中が冷てぇなぁ。こりゃ結構出血してんじゃねぇか?
やけに熱ぃ闘い方をしちまったもんだ。俺らしくもねぇ。
ハナヨイの信条は、余裕を残し無理をしないことだ。
最後まで立っていることが軍全体のためになる。そう信じてやって来た。
なのにどうだい。
こんな闘い方は、まるっきし俺じゃぁねぇ。
「ハナの字!」
初めて聞く呼び方をしているのは匁だろう。
何でぇその呼称はよ。
…おいおい、まぁた泣きそうになってんな。
匁の声がだんだんと遠くなる。
「…早く逃げろってんだ…」
意識が途切れた。
「ほぉら見てくれよ。どうでい、俺の背中はよ」
傷に効くというヴァサラ軍内の温泉で、ドヤ顔のハナヨイは、ウキグモとメイネに背中を見せている。
傷がある訳でもない2人が一緒に温泉に入るハメになっているのは、単にハナヨイが、自分の新しい背中を自慢したいがためだ。
「へぇ。確かにこいつはいいな」
「派手好きのカナデはんにはピッタリかもしれへんなぁ」
それに文句を言わず付き合ってくれ褒めてさえくれるのだから、友人とは有難いものだ。
あの日匁は、意識を失ったハナヨイを、敵の本拠地に入る危険を犯してまでヴァサラ軍に運んでくれた。パックリと開き血が止まらない傷を塞ぐため、淡水魚の皮で繋いでくれたらしい。
人のものではない皮が背中にあるということが全く気にならない訳ではない。変装して潜入するには特徴的すぎる傷跡は、何かと工夫して隠さなくてはならないという手間もある。
だが、そんなことなんてどうでも良い。
鱗のある背中に、
「こいつぁいいやぁ。まるで、傷口に龍が住んだみたいだなぁ!」
と笑った時、匁は大粒の涙を流して泣いた。
それは今までの穢れを洗い流すかのようで、ハナヨイは、今まさにこの瞬間、匁の人生が変わったことを感じたのだ。
人1人の人生が変わる。
それに比べれば、どれもこれも些細なことだ。
「とんだ泣き虫忍者がいたもんだ!」
言って笑いながら、ハナヨイは思い出していた。
自分にも、人生の方向を変えた節目があったこと。
そしてその度に、自分の周りには大事なものが増えていったことを。
匁は今、ギンジという本名でヴァサラ軍二番隊に所属している。
そしてハナヨイは、あいつ副隊長にならねぇかなぁと期待しつつ、結局あいつと会ったことはあるのかないのかと、時々モヤっとしているのだった。
〜おまけのお話
その後の温泉の3人
「何の目的もなく温泉にのんびり浸かるってのも、たまにはいいもんだな」
夜空を見上げながらウキグモが言う。
「まあうちらがのんびりできるんは、たいていは病室のベットの上やさかいな」
メイネの言葉をハナヨイが受ける。
「そりゃ隊長副隊長あるあるなだけだろ。普通は隊員ってのは休みがあるもんだぜ」
基本的には、入院するほどのひどい怪我を作らない働きぶりのウキグモが言う。
「けどそれで行くと、俺は全然のんびりできてねえってことか」
おそらく怪我の治りも早い方で、縫った傷なら3日もすれば傷口が開かなくなる。普通に戦闘に出られてしまうのだ。
「待てオメェら。俺らぁ今多分、間違ってる。そもそも入院はバカンスじゃぁねぇ。そこにのんびりを求めんな」
…バカンス…
言ったハナヨイにも、聞いたウキグモとメイネにも、同じ疑問が去来した。
…なんてものが、あったことがあるだろうか。
「なんやもう、バカンスっちゅう言葉自体がゲシュタルト崩壊してきたわ。よう考えたらおかしぃないか?バカとンとスが引っ付いとるってなんやねん」
メイネが変な方向に混乱しだしたので、ハナヨイは慌てて声をかける。
「落ち着けメイネ。そんな珍妙な着物なんか着て温泉に入るから、変にのぼせて妙なこと口走りはじめんだよ」
「珍妙とはなんや」
メイネが現実世界に戻って来た。
「これは湯帷子っちゅうもんや。長ーい歴史がある、由緒正しい風呂装束や」
「だいたいカナデよ。お前こそ露天風呂に真っ裸はねえだろ。女性隊員もいるんだぜ」
ウキグモに咎められたハナヨイは抗弁する。
「はっ。傷治すために浸かってんのに、肌覆ってちゃ意味ねぇだろ。こんな夜中誰も来やしねぇよ」
メイネがやれやれと首を振りながら言った。
「だいたい、カナデはんには品っちゅうもんがないんや、品っちゅうもんが」
「おぉ?今ここで、正しい白湯について決着つけるか?」
メンチを切る勢いでメイネに近づくハナヨイをウキグモが止める。
「お前は傷治さなきゃいけねえんだろ。ゆっくり浸かれよ」
何か言おうとして振り返ったハナヨイは、片手で視界を覆った。
「わーかった!わかったからよ!俺の顔の前で仁王立ちすんじゃぁねぇ」
因みにウキグモはハナヨイとは違い、下半身だけはちゃんと隠している。
バシャンと温泉に浸かるハナヨイの横で、メイネが夜空を見上げた。
「月が綺麗やなぁ」
本当に綺麗な月だった。
見事な上弦の三日月が夜空にくっきりと浮かんでいる様はまるで、たっぷりとラメが散る濃紺のベルベットを切り抜いたようだ。
息をするように自然と、言葉が溢れた。
「こうやってどうでも良い話をしながらよ。この先もずっと、お前さんらと月を眺めていられりゃぁいいねぇ」
三人で飽きもせず、何度も何度も同じ話をできればいい。
10年後も20年後も、退役してジジイになったその先も。
「俺は今、ちょっとグッと来たぜ」
ウキグモがニヤッと笑う。
「早速、月が綺麗返答集に加えとかんとな」
とメイネは頷いている。
「メイネお前さん、そんなくだんねぇもん作ってんのか」
突っ込んだハナヨイは、あーあとため息をついた。
「お前ぇらの気ぃ惹いても意味ねぇよ」
ハナヨイは今、隈なく幸せだ。