この!役立たずの犬め!
1、2年前に使っていたネタ帳を開いてみた。
ネタ帳、と言っても、ちょこちょこっと書きつけただけのもので、一時期あれやこれや話のプロットなんかを考えていた、小さなノート。
イラスト付きで人物像を丁寧に書いているのは良いのだけど、もう考えに考えすぎて、『嫁ぎ先の古い蔵の中でイラストを書いて生活し、山姥扱いされている貧乳の女性』とかいう扱いきれない濃いキャラを作り出しちゃっている。濃い。濃いわ。煮詰まりすぎ。とんこつラーメンにどろソース掛けてるぐらい濃い。見てるだけで胃もたれする。
なんて、パラパラページをめくっていたら。
めちゃくちゃ可哀想な犬を発見した。
なんですかこれ。
Useless...役立たず。縛られて、必然的にM字開脚させられて、役立たずのプレートを掛けられたこの犬の、この顔。
悔しくないの?ねえ、きみ、どういう気持ちなの、その顔。
自分で生み出した犬なのに、理解できない。
すぐ上に、文字が添えられていた。
「Give a dog a bad name and hang him.」
いやもうほんと…なに?
確か、たぶん、英語のことわざか格言みたいなやつを調べていた気がするのだけど。
「犬に酷い名前をつけて、そいつを吊しあげろ」
ねえなにそれ…。
どういう意味?
それが一体何をあらわすの?
それをしたら犬がどうなるっていうの?
当の犬はこんな顔してるよ?
つぶらな瞳で、こっちを見てるよ?
たぶん、あんまりダメージ受けてないよ?
混乱を極めたので、潔く、意味を検索する。
「(ことわざ) 一度悪名を取ったら最後だ」
…なるほど?
好感度が高くてテレビに出ていた人が、『妊娠中・子育て中の妻を放り出して3年不倫していた』という悪名を取ったら終わりだ、みたいなことね。
そりゃ、犬もこんな顔になるわ。
感情が行方不明だね。
大丈夫。不倫男とは違って、君はかわいい。愛くるしいよ。
今すぐその縄を解いて、抱きしめたい。
自分で描いた絵だけど。
悪名を『役立たず』にしたのは、紛れもなく私だけど。
というわけで、
そんな可哀想な犬、猫野サラさんの「ほっこり4コマ漫画大賞」にエントリーします。
「ほっこりするかは、分からない。でも、ね。僕、役立たずじゃなかったでしょ?」
そんな犬の声が聞こえる。
いつもありがとうのかたも、はじめましてのかたも、お読みいただきありがとうございます。 数多の情報の中で、大切な時間を割いて読んでくださったこと、とてもとても嬉しいです。 あなたの今日が良い日でありますように!!