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好きだった人の良いところをただつらつらと書きたい

計6年間、彼に恋をした。
ずっと片思いだったわけでは無いけど、約4年間まともに会えなかった。

 仲良くなったのは確か中学3年生のとき。
 男子に好かれて女子とはバチバチタイプの、まあーーー荒れまくった中3男子って感じでしたけど、私にはすごく優しかったんですね〜。そりゃあハマりますよ、まんまとハマりましたよ。さらに彼、周囲から顔がカッコいいって言われてたんですから。正直、中3の私は顔面について考えたことなかったから、カッコいいの基準が分からなかったけど、かっこいいと言われる人が彼氏であること自体は、誇らしく思っていた。
 彼との恋人期間は、学生の青春傑作集かと思うようなことばかりだった。お互い好きなことが分かりつつ「LINEは嫌っ!付き合いたいなら直接言え!」なんて文章を小分けにして、教科書へ付箋で貼った気もする。今思うと何様〜?
学校から一緒に歩いて帰ったり、自転車で2人乗りして帰ったり。
学生だね〜。
 高校に入ってから思ったけど、映画で見覚えのある、自転車で2人乗りしてるシーンさあ、徒歩×チャリ通は絶対条件で、帰路は安全が確保された平らな道という限られすぎ案件じゃん!!中学生ならまだしも、高校なんてほぼ無理じゃん、ってか地元民とでしか成り立たないじゃん!
なんて、どうでもいいけど。希少な経験ができて良かったね〜ってはなし。

 高1の夏頃かなあ?もう少し前かなあ?まあ確かその辺りに別れた。そこから会うことなく高校生を終えた。たまたま会うことはあったけど、喉が収縮して声が出なかった。後々聞いたけど、あのときは無視されたと思ったらしい。まあそうだよね。

え?高校生なんて恋愛全盛期なのに、何もなし?!
うん。何もなし。まっったくないわけでも無いけど、ずっと彼と比較し続けてた。時間の経過で、違う好きな人も恋人もできると思っていたけど、記憶のフラッシュバックがすごくて、誘ってくれる彼じゃない人へ飛び込む一歩が出なかった。彼は彼女がいたのにねー。

 大学生になってから、恋愛観が少し落ち着いた。というよりギターにハマりすぎて、それどころじゃないってだけだったのかも。大学2年生まで、ふと思い出すくらいで自由に生きてたんだけど、成人式前の11月ごろから急に焦りを感じた。このまま彼と比較し続けて人を見るのか、正直色々な思い出が美化されているし、もっといえば理想像の人物と比較しているようなものだ。そんなの、一生超えられるわけないじゃん。さらに今抱えている感情が、恋愛なのか執着なのか、それすら分からない。色んな策を頭の中で巡らせていくうち、なんで私だけこんなにもお前で頭がいっぱいなんだよ、うぜえ!って、私の勝手ですけれども、今までの想いを全てLINEで送信してしまった。
嫌われろ、粉々に崩れろ、終わらせてくれ。
そう願いながら返信を待つ。

返事は数時間で帰ってきた。
「今お酒飲んじゃってるから、後でしっかり送るね。」
ああ、だからこの人が好きだったのか。数年経って急に訳の分からないLINEを送ってきた女に対して、真剣に向き合おうとする人。
その後、いくつか会話をして彼がランチに誘ってくれた。
これもさ
夜じゃなくて昼なんだ?!
この歳でランチに誘ってくれる男性っているんだ?!
という驚きと私の気持ちを重く受け取ってくれているように見えて、嬉しかった。
嬉しかった????
違うじゃん!粉々に終わる予定だったじゃん!!
だから私はお前が好きなんだよ!!!!(?)

私の心身粉々作戦はまだ続く。
次は直接対決。私の理想をぐちゃぐちゃに踏みつけていけ。

 身が凍るほどの緊張は久しぶりだった。
彼は車で迎えに来てくれた。前回2人で会ったときは自転車で、駐車場を囲う低めのブロック塀に腰掛けながら話していたのに。

 正直、食事中に何を話したのか覚えていない。近況と思い出話をしたと思う。ご飯を終えてから少しドライブをした。
ずっとずっと言いたかった。当時も今も、あなたの下まつ毛が好きだ、驚いたときに大きく開く目が好きだ、あなたの名前の漢字が好きだ。薄らげな記憶しかないけど、濁しながら伝えられたような気がする。

また1からお互いを知っていこうか、話はそこから。
そう言って彼は私を受け入れた。

 会わなかった約4年間、彼だけでなく私も多く変化を遂げている。服装、容姿、価値観、経験、言葉遣い。学生における数年でヒトを構成するすべてのことが変動し、自分を見失う人もいるらしい。
だからこそ、私の理想を裏切る人間へ生まれ変わっていてくれ、と願ったのに、彼の中心は変わっていなかった。とげとげしい形をしていた彼は、先が軽く削れただけだった。少し丸くなった理想のままなんて、望んでいない。


詳しくは控えるが、そこからさまざまなことが起きてしばらく会わなかった。

 彼と再開してから1年後、会えないかという連絡が届いた。この頃、私の気持ちはかなり落ち着いていた。というのも、自分の気持ちを大切に扱ってくれた彼の行動を見て、大切に思っているのは私だけではなく、彼もだと感じたからだ。これは恋愛感情ではない。ヒトを形成する大切な時期に出会い、存在を大切に扱う人間関係として、尊い気持ちだ。

会えないか、という連絡の具体的な内容の記載も控えるが、いい話ではない。ただし、私を頼りにしてくれたようだった。曖昧で、普通ではない関係性だからこそ支えになれる、そんな複雑な話。
しっかり会って話した。もう前ほどの緊張は無かった。彼の話をただただ聞いた。


私は彼が大切だ。この先も一生大切な存在として扱いたい。しかし、だからといって無駄に連絡を取ることはしない。互いの誕生日を祝う程度。

と思っていたのに、彼から遊びの誘いがあった。
「なんだかキリ悪いし、長く付き合いあるのに、ちゃんとした遠出したことないよね。」
かなり予想外だったけれど、もちろん遊びに行った。

楽しかった。すごく楽しかった。彼は優しかった。あいにくの雨だったが、雨が意識に残らないほどいい時間だった。思考も雰囲気も似ている。


好きだった。大好きだった。本当に。
今後、こんなにも魅力的な男性と出会うのは難しい。



でも出会っちゃうんだもんねーー!!!!



今日もお疲れ様。


【追記】2023/5/19

昨日彼から電話があった。
「言ってなかったんだけど、この間遊びに行ったのはこれで最後って意味で、一通りLINEに区切りがついたら、電話して終わりにしようと思ってたんだよね。遊びに行く前に言ったら、気にしちゃうかと思って言わなかった。」

ハハッ、うける。
そんなの、誘われた時点で察してたけど?
LINEだって、もっと前に区切れそうなところあったけど?
LINEに関しては、彼も私と話したかったと言っていたので、いいんですけど、いいんですけど…。

今後があるなら距離を詰めていたし、ボディータッチくらいしてるわ。
最後だと思って過ごしたのに、LINEが続いてしまう私の気持ちが分かるか?
女の感覚を舐めるな、お前の考えなんて分かった上で、何も言ってないんだよ。と言いたいところでしたが、ここは押し黙ることが正解。

てなわけで、最後の電話も相変わらず、色んな話題に飛びまくりながら終えた。
ほんっとうに思考が似ている。
だからこそ、恋人としては上手くいかない。
似ていると言っても、すべてが同じとはいかないからだ。
1度意見がすれ違うと、互いが引かない。
「こんなにも似ているのに、なぜこの部分はこうも違うの?あなたなら、分かってくれるでしょ?なんで?なんで、そう思うの?」
普段なら、自分の価値観を押し付けるようなことしないくせに、似ているがばっかり、ぶつかり合う。
お互いに気づいている。
だから、すれ違ったふりをする。
周囲の友人には、すれ違いすぎだと笑われているらしいが、真相を理解しているのは2人だけ、もしくは私だけ。


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