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劇場版レヴュースタァライト ネタバレ感想

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公開日に1回目見て、翌々日に2回目(舞台挨拶映像付き)を見た。
初回はやばかった。心も体も落ち着かなくて、頭はめちゃくちゃ使うし、心は揺さぶられるし。見た後すごく疲れて、頭が痛いくらいだった。
今日はまだ落ち着いて見れた。ふう。しかしやはり疲れた。
2回目だから気付けた部分もあったし、たぶん何回見ても分からないだろうな、と思う部分もあった。
ウテナを何回見ても分からないところがあるのと同じ。

今回の劇場版スタァライトは
「私の好きなスタァライトじゃなかったけど
私の好きなスタァライトだった」。

そう一番最初に感想をツイートした。
血の表現も、少女たちの本音のやりとりも、今まで避けられてきた部分。
そんなの、見たくなかった。
すごく私のスタァライトを穢された気がした。
でも、レヴューをしている彼女たちはとても美しくて、煌めいていて。
本音を曝け出すことで、より本気でぶつかり合うところを見て、最高だと思ったし、人間味・人間らしさが増して、より皆をもっと好きになった。
私が好きなスタァライトを、皆演じてくれていたんだね。

「私が好きなスタァライト」って何だ?
2018年のアニメ放送が終わっても、ずっと繰り返しアニメを見て、舞台映像を見て、曲を聴いて。
一番スタァライトに囚われているのは、私だった。
ずっと同じところに踏みとどまったまま。これではアニメでのななと同じではないか。

もういい加減、前に進もうよ。目を覚ませよ。少女たちは前に進むよ。次の舞台に行くよ。
そう言われちゃった、なあ。
私がスタァライトに囚われる=舞台少女たちの成長を止める=舞台少女の死 なのかもしれない。
ラストでは皆 上掛けを取り、放り投げる。もうレヴューは行わない。
朗らかな、スッキリとした表情を浮かべ、遠くの未来を見つめる彼女たちの姿が眩しかった。
エンドロールでは華恋ちゃんも、ひかりちゃんも、もう髪留めは付けていなかった。
運命の舞台 その先を歩むために。
ああ、これで本当にスタァライトのアニメは、終わっちゃったんだなあ・・・と、しみじみ思った。

映画始まって2秒、トマトがはじけ飛ぶシーンで、「あ、これやばいの始まるわ。」と思って、
ななの「みんな、喋りすぎだよね・・・。」が怖すぎて、動揺して、
「ワイルドスクリーンバロック」が始まってからはもう、怒濤の展開。
ななは怖いし最強に強いし、血は流れまくるし、レヴューのタイトルは「皆殺しのレヴュー」だし。
これはとんでもないものが始まってしまう・・・とドキドキした。
見たい、見たくない、でも見たい。その連続。

古川監督には大変失礼かもしれないけど、幾原監督イズムが強すぎるよ!!
モチーフとか、メタファーとか。イクニみがすぎる!それが良い!
そもそもスタァライトは友達から「幾原監督と一緒に仕事してた人の初監督作品だよ、イクニっぽさがあるよ。」と言われて見たのが最初だったので。
真矢クロレヴューで、薔薇が舞う中での決闘なんてまさにウテナだし、
電車がステージに切り替わるところの一連なんてまさにピンドラっぽかった。
そう思うと、トマトが林檎に見えてきて、トマトって、運命?電車は、運命の乗り換え?なんて思ったり。
パンフでは監督が トマトは概念 と言ってたけど、色々な意味に取れるなあ。
舞台少女の死 とも取れるし、 キラめき とも取れるし。人によって解釈が違って面白そう。
正直未だに理解できないシーンや台詞だらけだし、何回見ても分からないかもしれない。

今回はB組舞台創造科のキャラのシーンが多くて良かったなあ。アニメではあんまり描かれることが無かったけど、やはり舞台は演者も大事だけど、作ってくれる人がいてこそ、なので。
脚本家の葛藤とか不安・恐怖にも触れて、それを曝け出すことでまた一段と団結していく生徒たちの姿が良かった。
私の推しモブちゃんも、たぶんその場の勢いで真矢と一緒に演技してた(笑)
私個人としては、純那はよく作家について調べたり、舞台設定の時代背景とか調べたりしていて、役に対する向き合い方に深みがあると思うので、演出家兼任もすると良いんじゃないかなあ、と思ったりもする。

各レヴューについて
【双葉・香子】
推しは双葉です。
双葉の進路には驚いた。歌劇を続けるとは思ってたけど、香子の近く、関西の劇団とかに行くのかな、と思ってた。
真矢やまひるちゃんと同じ劇団を志望するなんて。彼女の自立と決意を強く感じた。
しかしまさか香子に何も言ってないとはなーーーそりゃ荒れるわ(笑)
尖りちらしてる香子。香子の気持ちも分かるんですよね。舞踏の家に生まれて、進む道は決まっている。それは本人も納得しているけど、でも本当は皆みたいに自分で選んだ道に進みたい気持ちもあるでしょう。
劇団の見学だって本当は皆とキャッキャ騒ぎたい気持ちもある。でも疎ましい気持ちもある。
双葉は自分に相談もなく決めてしまったし。それが態度に出てしまうんだね。
しかもクロちゃんが双葉に劇団を進めたのが最強に面白くない。ああああ、もう、香子!!!抱きしめたい!(うっとうしい、と言われる。)
それらをすべてぶつけ合うレヴューでした。圧倒的にコミュニケーションが足りてないぞ☆
盛りだくさんのレヴューは、訳が分からないよ・・・笑
クロちゃんと香子の寸劇に始まり、決闘、からのセクシー本堂(笑)そしてデコトラ!
デコトラの作画の良さが異常。双葉が着てるスカジャンが欲しい。
どれもこれも意味は分からないけど、とにかく最高でした。セクシー香子に、童貞ボーイみたいな双葉かわいかった。
嘘つき嘘つき、とぶつける香子。でも、嘘じゃないんだよ。それは香子も分かってるよね。
ずっと香子のわがままを聞いてきた双葉。そんな双葉が言う最初で最後の我が儘、聞いてやって。
ナイフでヒモを切るシーンの双葉の雄っぷり、やっっっばかった!!最高にイケメンでした。
いやあ、セックスしてた。花舞ってたのはそういうことだ。うん。(私は百合好きではないです。)

【まひる・ひかり】
まさかこのふたりのレヴューが見られるとは。そしてまひるちゃんがひかりちゃんに勝つとは!今回の劇場版はこの番狂わせがとても面白かった。
アニメ本編でもメンヘラっぽさのあったまひるちゃんですが、より深掘りした部分を見せてくれました。見たくなかった、でも見たかった!!!
舞台2ndでの青嵐との戦いで、ひかりちゃんと共闘するまひるちゃんを見て、ひかりちゃんとこんな風に仲良くなれるなんて、まひるちゃん大人すぎない?すごいな!と思ってたんだけど。そうよね、見せてなかっただけで、彼女の中にも葛藤が沢山あったんだよね。
今回のまひるちゃんまじで怖くて、ホラー感あってゾクゾクしました・・・。曲なしで歌うところ最高に怖くて良い。
まひるちゃんの攻めによって、屈したひかりちゃんが本音を漏らす。
まひるちゃんの「私も演じるのすごく怖かったよ」って、どういう意味かなあ。
ラスト、一緒の舞台に立てて楽しかった、という2人の姿が眩しくて泣ける。

【純那・なな】
純那の首から大量出血するシーンは何度見ても「ヒャァッ!!」っとするわ・・・。
大学に行くって何よ、あの頃のあんたはトップに立てなくてもがむしゃらに舞台に向き合ってたじゃない!と煽りまくるなな。
輝いてたよ、眩しかったよ、とひたすら過去形で言われて、武器の宝石も砕かれて、まさに絶望の純那。
もうお前の言葉は届かないから。
もうお前舞台人として死んでるから。と言わんばかりに介錯用の刀を足で差し出すななが冷酷。
その刀の柄の部分に、宝石をブっ刺して立ちあがる純那ちゃん最高だったよ!!!
そこからの口上が最高に最高で。
「殺してみせろよ、大場なな!!」・・・やっばーーーー!!!
「うわっ」って思わず声出たし、ガッツポーズしたし、最高のカタルシスでした。
よく言った純那ーー!!って立ち上がって拍手したくてたまらなかった。
何度でも立ち上がる純那ちゃんの姿、キラッキラに輝いてました・・・!
それぞれの未来へ歩き出すふたり。また一緒の舞台に立ちたい、という純那ちゃんの言葉に、ななと一緒に涙。
あーあ、泣いちゃった。

【真矢・クロ】
めっちゃ長い!4構成のレヴュー。やっとクロちゃんの単独レヴューが見れました。
寸劇から始まったの、面白かったなあ。衣装も舞台設定もすごく好きだった。
欲望剥き出しの真矢も良かったし、それを引き出したクロちゃんもさすが。「私はいつだってかわいい!!!」のやり取りとか、もう何なの、イチャイチャすな!笑
薔薇が舞う中での決闘なんて、めちゃくちゃセックスですやん・・・もう、最高。名前で呼び合うし。
バッチバチに戦う真矢クロ。お互いに高め合って行ってる感がすごくて。
このふたりがずっとトップで、ずっとライバル同士でいてくれてありがとう。感謝。
真矢がどんな役にでもなれる舞台の器という言葉が出てくるんだけど、別の歌劇ゲーム作品「ジャックジャンヌ」でも同じような話があって、「器」というものについて考えさせられました。
その器のモチーフを首ごと切り落とすクロちゃんも良かったなあ。
「器」も素晴らしいけど、真矢には「華」があるので、「器」に徹するのも勿体ないんですよね。「器」の役割も重要なんですけど。
「クロディーヌ、あなたはとても美しい。」のクロちゃん、本当に美しかった。
アニメ本編ではクロちゃんの次席っぷりがあまりよく描かれなかったので、このレヴューではクロちゃんもすごい役者なんだぞ、というのがフューチャーされて良かったな。

【華恋・ひかり】
ひかりちゃんと一緒の舞台に立つ。
その夢が叶ったら、何のために舞台に立てばいいのか───
映画を通して華恋ちゃんが聖翔に入学するまでの過去が描かれました。
中学生時代の華恋ちゃんが一番衝撃だったかもな~。今日友達とも話してたんですけど、目を反らしていた彼女たちの過去、そして男性の存在。学校帰りに男女6人でドーナツ屋で修学旅行のしおり作り、なんて。メンバー的にもかなりイケイケグループの一員じゃないですか!いや、分かってたよ、分かってたんだけど、見たくなかったし、見たかった(笑)
あの眼鏡男子は絶対華恋ちゃんのこと好きですよね。「愛城にだって、不安や悩みはあるんじゃない?」は好きじゃないと出ない台詞。きっと彼は、華恋がふとしたときに見せる暗い表情に、気付いてたんだなあ。
聖翔の願書と一緒に、青嵐のパンフが置いてあることに2回目で気付いて。青嵐に入学していた世界線の華恋ちゃんも見たい。
ひかりちゃんがフランスの名門歌劇学校に入学したことを実は知っていた華恋。なのに、アニメ本編のななループの中での華恋ちゃんはなぜあんなにキラめきを失ってたんだろうと思って。
世界一の名門学校に入ったひかりちゃんと自分を比べて失望したのかな、と思ったんだけど、友達に話したら「ひかりちゃんが舞台を続けてくれてることが分かって安心したんじゃない?」と言われて、なーるほどーーと思いました。
レヴュー前の「客席ってこんなに近いの?」といきなりメタ構造になる演出が良かった。

ひかりちゃんとの出会いによって人生が変わった華恋。わずか5歳で、舞台に全てを捧げると決めた少女。
念願のひかりちゃんとアニメ本編で一緒に舞台に立って、さて、その後は・・・?
舞台に立つ意味を見失って、一度死に、そして再生産。
「ひかりに、負けたくない。」この台詞が聞けて良かった。
そしてひかりちゃんも。お互いがお互いに尊敬し合い、眩しくて、見惚れて、ただのファンになってしまうのが怖かった。
だけど、ここでようやく、本当のライバルに、そして仲間になれたような気がします。
「愛城華恋は舞台にひとり。愛城華恋は次の舞台へ。」
「運命は変わる。舞台も、また。」


エンドロールで卒業後の彼女たちを見れて嬉しかった。みんなそれぞれの道で頑張ってるね。
ひとりひとりに会いに行くひかりちゃん、というのも良かった。ひかりちゃんも99期生の仲間だもんね。
もうみんなで同じ舞台に立つことはできないかもしれないけど、それぞれの活躍を、それぞれがチェックしたりして、それがまた刺激になって、頑張れる。
九九組の未来が、光輝くものでありますように。


線路は続くよ、どこまでも。舞台は続くよ、どこまでも。

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