ぴゅあくる刀剣男士は次元の壁を越えられるか?
新プロジェクトは3DCGライブ!? 2.5次元で舞台やミュージカルが定着してるのに?
おそらく大半の審神者が疑問に思ったであろう「ぴゅあくる刀剣男士」。
ようは3DCGの刀剣男士がライブに一生懸命な姿勢を「ピュア」、歌唱やダンスの内容を「クール」としているらしい。
まずは今秋に「テイスティング公演」なるトライアル公演を行い、観客からのフィードバック「テイスティングオーダーシート」に書かれた意見を反映した大型公演を来年3月に実施するとのこと。
3DCG化した刀剣男士たちの声を当てるのは、ゲームと同じ声優さん達。
――ずっと これを 待ってた!
私は「歌って踊れる刀剣」を目指す脇差男士・篭手切江を好きになって以来、「ゲームの刀剣男士が歌って踊るステージ」が観てみたかったのです。
刀ミュで江メインの公演はやってますし(篭手切がガラスペン使ってたって本当ですか?)、アニメ刀剣乱舞花丸の映画でも遠征先で「でびゅー」を飾ってます。
テイスティング公演の「めんばあ」はもちろん江派の刀剣たちです。幸いゲーム内先行抽選で東京公演11/2の席が取れました。東京楽が11/4なのでかなり後ろの日程。
東京公演開始当初はマイナス意見が頻出したのですが、複数回リピートしている人からは「回を重ねるごとにどんどん良くなっている」という証言も登場。
不安半分期待半分で迎えた11/2、いよいよ自分の目でぴゅあくる刀剣男士を確かめる時がやってきました。
ステラボールへ
当日は平日並みに早起きして品川へ。いったん下見して時間を潰してからステラボールに向かいました。
ところが物販列形成開始時刻になってもスタッフが来る気配無し。
おかしい、ちゃんと会場の公式サイトを確認してきたのに。そう思って辺りを見回すと――。
ステラボールへの入口はアネックスタワーの映画館奥にありました。初見殺しすぎる。
9:30 〜 物販列形成開始
ちと出遅れたか、と思ったものの既に並んでいる客は5人程度。
最後尾に並ぶとスタッフが近づいてきて、チケット確認のうえ物販の注文票をバインダーごと渡してくれます。バインダーには複数枚の注文票が挟んであるので、記入し終わったら自分の注文票だけ外してスタッフに返却。
まだ私の後ろにヒトはいなかったので、前の人に声がけして列を離れ、今日の「出演者」達の等身大パネルを撮影しました。
けっきょく物販開始前までに列に並んだ客は20人もいなかったんじゃないでしょうか。東京公演も終盤なので追い買いの人が少ないだけ? それとも単純に雨の影響?
10:00 〜 物販開始
物販開場の扉が開くと、一列に並んだ客達はレジに誘導されます。たぶん8台ぐらいあったので展示されたグッズを見る余裕なく即レジ前にたどり着きました。
公演Tシャツのバーコードがなかなか読み取れないというちょっとしたトラブルはあったものの、無事に予定していたグッズをゲット。
テイスティング公演では色変わりできるペンライトではなく白一色のバングルライトを販売。会場に持ち込めるのはこのバングルライトか市販のペンライトのみです。
ランダムブロマイドについてくるおまけのステッカーがかなり小さいので注意(特にブロマイドを何組も買う人)。
欲を言えば公演のメインビジュアルを使ったグッズが欲しかったですね。めんばあの完全な全身像を得たいならアクスタ買うしかありませんので……。
12:20 〜 開場
最終調整という名目のため5分遅れで入場開始。
中央に大きなスクリーン、その左右に小さなモニターを配置。モニターには公演のロゴが表示され、会場内はスモークで全体的に曇ったかんじ。
私の席は1階の前方右端、中央のスクリーンがめちゃくちゃ見づらい位置です。
これは……スクリーンの刀剣男士を平面としか思えないかも知れない。「刀剣男士がそこに『いる』感じがしない」というXで見かけたマイナス意見が脳裏にちらついてしまう。
13:10頃 〜 公演開始
入場開始の遅れに巻き込まれたか、開演時間を過ぎてから会場が暗くなるまで体感10分ぐらいありました。
まず五月雨江の開演挨拶。ここ多分日替わりだろうな。「我々を季語として一句詠んで下さい」って季節になる気か雨さんよ。
スクリーンに等身大の人影が現れては刀で一閃、全員分の斬撃が「江」の字になりスクリーンが上がると――。
「メタモルショーアップ!」(×6)
いきなりのバンクシーン(×6)には度肝を抜かれた……戦闘服の色合いがぴゅあくる仕様になるだけなんですが。
そして1曲目が始まった途端、私が抱えていた不安はスッと消えました。
刀剣男士達がすていじに「いる」。
メインモニターがある程度舞台の奥に設置され、前にスモークやレーザービーム照明があることで、端の席からメインモニターを見た場合の視点が部隊奥に誘導されて「平面を斜め横から見た感」が軽減されます。
歌って踊るめんばあ達をアップで映すサブモニターのカメラワークは歌番組を視ているかのごとく、すていじの奥行きをぞんぶんに感じさせるもの。
メインモニターとサブモニターの両方を一度に視界に入れることで、最大の懸念点だった「刀剣男士平面にしか見えないかも知れない」問題はほぼ気にならないものとなりました。
敢えて楽曲の先行公開動画は視ないで臨んだのですが、全員すごく歌が上手い! 全員で歌う曲、二人のめんばあが組んで歌うデュエット曲などあり、曲調もそれぞれ違っていて飽きません。
曲の進行に合わせたレーザービームやスモークといったリアルでの演出の他、CGならではのキラキラが舞う映像演出もあって、観客に「ぴゅあくるならでは」のすていじを楽しんで貰いたいという意図が伝わってきます。
一方でこの公演が「あらかじめ用意された映像」なんだな、と実感してしまうのはMCパート。MCの内容は江らしくて面白いんですが、めんばあと観客との同期が致命的に取れてない。
テイスティング公演はスタンディングも声出し応援もうちわ持参も認められてます。しかし初の試みゆえの「どこまでやっていいか」の戸惑いが観客側にあって、公演中はみんな大人しいものでした。
よって(観客の反応上は)盛り上がっていないのにめんばあは「盛り上がってるな!」と発言するという齟齬が生まれる。
応援うちわも「観客と演者のコミュニケーション」ですから、客席降りどころか観客席のリアルな状況にリアルな反応ができないCGライブとの相性は(現時点では)良くないと思いました。だから自分が把握できる範囲で応援うちわを見かけなかったのかな。
歌に合わせて色を変えたペンライトを振るのはしっかり行われてたんで、3月の大型公演ではペンライトを販売して欲しいですね。
50分のすていじはあっという間に終わり、最後に五月雨からは「背後にもお気を付けて」と不穏な〆の挨拶がありました。忍びキャラだからってお前ェ……。
総括
50分で終わるのは短すぎると感じるぐらい「観に行って良かった」と思える公演でした。
ゲームと同じ声帯で紡がれる歌やMCの内容、リアルとCG両方の強みを活かした演出に引き込まれます。3月の大型公演にもぜひ参戦したい。
帰りの際に漏れ聞こえた会話からテイスティング公演を何周もしてる人が実在することを知れました。既に「ぴゅあくる刀剣男士」というプロジェクトに熱心なファンが付いているのは嬉しい限り。
改善が早いという噂が本当なら、恐らく大阪公演のすていじは東京公演より更に良くなっているはずです。
観客席の盛り上がり状態など一朝一夕では解決が難しい問題もありますが、技術の進歩でなんとかなるとも思ってます。
観客席の状態を取得してAIで解析しキャラの反応を変えることで「すていじを通じためんばあと観客の交流」を演出するとか。自分で言っててアレですが声優さんの負担凄そう。ぴゅあくる専用の刀剣男士ボイロあればイケるか?
個人的には透過スクリーン使って欲しいなぁ。とある展覧会でマジカルミライの透過スクリーン小型版を観たのですが、「初音ミクがマジでそこにいる」と衝撃を受けました。ボカロジャンルの皆さんすごいライブ観てるんだな。
あと、ロボット技術とVR技術とAI技術を駆使して握手会やれるんじゃないかなとも思ってます。
ぴゅあくる刀剣男士、今はまだ不足が多いけど2次元を超えてくれると信じてます。
まぁ初すていじを飾れた篭手切がすっごく嬉しそうだったから何でもいいや!
余談
生憎の雨のため表のベンチが使えず、マクドナルドがあった建物も工事中だったので品川プリンスホテルにある喫茶店で朝食客に混じってお茶を飲みながら時間を潰しました。公演用にまともな恰好してきて良かった……。
さすがの美味しさでお茶請けにチョコレートも付いてきました。が、アクスタ1個買えるお値段と場の雰囲気にガクブル状態。
昼食はアトレ品川のフードコートで摂ったのですが、品川駅はなんかザワついてるし昼食には相当早い時間なのにフードコートはめっちゃ混んでる。
あとから大雨で東海道新幹線が一時運休見合わせになっていたことを知りました。ステラボールに向かうときに見たみどりの窓口行列エグイことになってた。運休に巻き込まれた皆さんホントにお疲れ様でした……。
2024/11/2(13:00公演)のセトリ
日によってセトリの順番も異なるそうです。凄いなぴゅあくる。
燎花繚乱(全員)
Go&Go!!(篭手切・豊前・桑名・松井)※1
さめざめ(桑名・松井)※2
Precious(五月雨・村雲)※3
No more(豊前・篭手切)※4
ダンスパート(全員、歌無し)※5
I Believe(全員)
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