マリー・ローランサン展に行ったはなし。
スルー予定だったんですが、素晴らしいレビュー記事を読むと行きたくなっちゃいますよね。
この人はだれ?
――画像のキャプションでネタバレ著しいですが、上記3点の絵画は全てマリー・ローランサンの自画像です。Naota_tさんのレビューとやってること被ってるけど、1枚目は他2枚に合わせて正面顔じゃなくて横を向いてるのを選んでみました。
マリー・ローランサン展
そんなわけで終了直前タイミングで「マリー・ローランサン展――時代をうつす眼」に行ったのでした。
事前にレビュー記事で把握してましたが、初っ端から自画像の絵柄変遷は仰天しましたね……。
ローランサンがジョルジュ・ブラックとの出会いでキュビスムの影響を受けたことから、キュビスムの有名作家の作品も多く展示されていました。というかローランサン本人の作品より他作家の方が印象に残った作品が多いような……。
ブラックのこの絵、額縁がキュビスム展に出てた作品に似てる。
こちらは画材に砂と新聞紙が使われており「総合的キュビスムだ! キュビスム展でやったところだ!」と謎の感動。
フアン・グリスもキュビスム展に出てた。ほんとにキュビスム展を観た人には面白い内容だなぁ。
ローランサンの作品で好きになったのは「椿姫」の挿画。マリー・ローランサン美術館が原画12枚持ってるという事実がまず凄い。
展覧会を通して見て、私の中では「ローランサンの絵って何だか彩度が少ない」という印象が浮かび上がりました。上の絵のように背景に灰色成分が多いからかなぁ?
背景が暗い方が白い肌が浮き立つんですが、なんというかそういう感じがしない……なんだこの感覚……?
舞台芸術も手がけているのですが、やっぱ全体的に彩度が低い。
晩年の絵は全体が明るいかんじ。今までの自分のローランサンのイメージに一番近いですね。
ローランサンと同時期にパリにいた日本人画家の絵も少々。
――これ東郷青児!? ローランサンの初期の自画像並みに衝撃ですわ……。私はこっちの画風の方がすき。
藤田嗣治の女性はそれこそローランサン以上に「白い肌」のイメージが強いので、背景の白から灰色の少女が浮かび上がるこの絵は印象的でした。
その他の展示
マリー・ローランサン展を見終わって階を下ると「石橋財団コレクション選」、おそらく常設展にあたる展示が2フロアに渡って続きます。
これがまた凄い内容で、「教科書で見た!」「なんかの本で見た!!」絵がわんさかあります。
改めて見たら漁師さん達マッパなのか……。
前から見たら「?」なんですが、横から見るとれっきとした人物像。胴体部分は正面だとすごい量感あるんですが思いのほか薄い。
こっちの方が「藤田嗣治の絵」って感じ。
日本画も数点ですが展示されてました。たぶん所蔵品じたいは多いんだろうな。
購入したもの
ミュージアムショップはコインロッカーと同じ、チケットが無くても入れるフロアにあります。
特別展オリジナルグッズみたいなのは(図録以外)ないのですが、所蔵作品のグッズはめちゃくちゃ充実してます。三越文具フェア真っ最中だったんでポストカードのみに留めました。
音声ガイドについて
アーティゾン美術館は専用アプリがあり、美術館内のWi-Fi接続中に限り音声が聴ける、位置情報に対応とめっちゃハイテクです。
しかしどうも所蔵品以外に音声は付かないらしく、マリー・ローランサン展なのにローランサンの絵には殆ど音声が無いという事態になってました。なんでや!