私と店長とキラーマシンの話 後編
私「……コレ
“ 2 ” じゃないすかね…?」
店長「そうです “ 2 ” です
“ 2 ” が好きなんです」
えっ
キラーマシンていったら
ふつう “ 1 ” ですよね
先ほどの会話の流れも
完全に “ 1 ” でしたしね
ちょ
もういっかい
今度は “ 1 ” 描いてくださいよ
店長「 “ 2 ” のほうがカッコよくないすか」
うん今ね、
そういう話をしてるんじゃない
店長「 “ 2 ” カッコいいじゃないすか」
うん “ 2 ” もね、いいと思いますけど、
私は完全に “ 1 ” を期待していたし
“ 1 ” のほうが好きなので
次はぜひ “ 1 ” をおねがいしますね🖤
店長「じゃあ もっと時間かけて
ちゃんと描いてきます」
わあい
次こそ “ 1 ” を描いてもらえるぞ
たのしみだなあ
*****************
それから
しばし時は流れてまたある日のこと。
店長「モミさん、こないだ
キラーマシン描きましたよ!」
スマホからいそいそと画像を探す店長。
どうやらおうちで時間をかけて描いたのを
見せていただけるようです。
おっ!ついにきましたか!
待ってました!待っていましたよ!
さあさあどうぞどうぞ!
そして見せてくれた
スマホ画面にあったのは、
わあーっ!
つーでーす(白目)
(※なんか
もうちょっとちゃんとした紙に
もうちょっとちゃんとしたペンで
もうちょっとていねいに
キラーマシン “ 2 ” が描かれていました)
… … …。
もー!
何度 “ 1 ”を描いてほしいと言っても
“ 2 ” しか描かない
否、
“ 2 ”しか描きたくない店長。
「 “ 2 ” カッコよくないすか」
しか言わなくなっちゃった店長。
「今度はもっとちゃんと
色も塗って描いてきます」
とイキイキする店長。
もう無双状態の店長。
今度はきっと
もっとちゃんと色も塗って
“ 2 ” を描いてくれるのだろうな
うんもう “ 2 ” でいいです
よくかんがえたら
たしか “ 2 ” がよかったです
いち?なにそれおいしいの?
わあい
もっとちゃんと描いて色も塗った
“ キラーマシン2 ”
たのしみだなあ
キャホホー↑↑↑
******************
こんなこと言ってますけど
でもほんとうはね、
“ 描きたいものしか描きたくない ”
っていうのも
きっとそれでいいのだなあと思うのです。
心からやりたいと思うこと。
それは
頭で考えるほうではなく
自分の心がワクワクするほうにある。
でも、ときに
頭の声が大きくなりすぎると
ワクワクするのはどっちか
わからなくなってしまうときもある。
そんなときは、
自分の心が
今感じていることに
耳をかたむけてあげること。
どんなにちいさな
たわいないようなことでも
ちゃんと拾い上げてあげること。
私も日々それを、
やってみているところです。
忘れそうになっては、
こうして
思い出させてもらったりしながら。