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2020/12/03
12月に入り、
昼間でも空気が冷たく
感じるようになってきた。
けど今日もまだ、
首に巻くものはなくて大丈夫だった。
まだ、コートも少し違う感じ。
毎年思うけど
あの家の前の朝顔は、
いったいいつまで咲いてるんだっけ。
夏が終わり、秋が終わり、
冬が来ても、
いつ見ても咲いている。
枯れる気配もないいきおいで。
ちょっとひさしぶりに通った道で
何かが取り壊されていた。
一瞬、もともとそこに
何があったのか思い出せない。
パチンコ屋さんだ。
お店をやめちゃっていたことも
知らなかった。
仕切りに覆われた隙間から見えた
取り壊し途中の現場は、
トランスフォーマーの墓場みたいだった。
すっかり日が落ちて真っ暗なせいで、
よけいに荒廃して見える。
入ったこともない店なのに、
こんなふうに無くなってしまうのが
さびしいような気持ちになりながらも、
スピードをゆるめることもなく通りすぎ、
毎日通る道にさしかかる。
ぐんぐん走りながら、
昔からずっとあって、
毎日見ているあのお弁当屋さんが
明日、急になくなったら、
私はあそこがお弁当屋さんだったって
すぐに思い出せるかしら
などと考えてみる。