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私と怖い話のこと

怖い話が好きです。

以前は、
怖い話をドカンと大量摂取したくなる
禁断症状のようなものが
年2回くらい出ていました(笑)
そういう時は、
数日~1週間くらい怖い話を
気が済むまで摂取しまくります。
そういう謎の周期がありました。

ですがなぜかここ数年は、
そういうのはぱったりなくなりました。
なんだったんでしょう?
ストレスかなんかだったのかしら。

でも怖い話が好きなのは変わらないです。
むしろ今は飢餓感なくのんびりと
好きに楽しめるようになったので、
とてもいい感じです。

謎の周期がきたときには、
主に「怖い話まとめ」ブログに
お世話になっていました。

そうやってたくさん読んでいるうちにも、
わかってきたことやなんかがありました。


自分はどっちかというと、
怖いというより、不思議な話が
好きみたいです。

あんまり凄惨な話が続くのは
どうにもつらくなってきます。

本だと、
平山夢明さんの怖い話シリーズは
本当に面白いけれど、
凄惨なものがかなりな凄惨度合いなので、
ううう、となってきてしまう感じ。
でもいい止めどきでもあります。
あんまり長い時間恐怖話に
身心を浸してるのもよくない気がするので。


そして、
あんまり怖い話を読みすぎると、
だんだん怖がれなくなってくるんですね。

例えば、
「トンネルから出たら、
ウィンドウに手形がびっしりついていた」
みたいなの。

これ言ったらなんですが、
安定のオチですよね。
でもそうだとわかっていても、
実際に体験してみたら
失禁しても許されるくらい
怖いはずなんです。

でも、
どんどん刺激の強いもの強いものを
読んでこのオチにであうと、
「あーはいはい、手形ね出た出た」
みたいな、
なんとも傲慢な反応しか
出なくなるのですよね。


ちなみに
ちょうどいい実例があります。
私自身の体験です。



それは数年前の、
ちょうど「あの周期」がきていた時。
私はいちおう
「夜0時を過ぎたら怖い話は読まない」
というマイルールをもうけていまして、
それは、そんないかにもな時間に
怖い話なんて読んでたら
なんか来ちゃうかもしれないから
怖いからだめ、という理由からです。
(ちなみに私はまったくの零感です。
ただの怖がりの怖い話好きです。)

小さな部屋に数人集まって怖い話を
しているだけで、小一時間ほどで
部屋がいっぱいになるほど来る、
と何かで聞いてから、
それだけで来るなら読んでるだけでも
来てもおかしくないと思い、
用心にこしたことはないということで。

しかしその時その日の飢餓感は
いつにも増してひときわ強く、
もうやめなきゃと思うのに、
読むのをやめることが
どうしてもできませんでした。

それでいて小心者なので、
なんとなく後ろを気にしてそわそわしたり、
何もない空間をこわごわちらちら見たり
しながら読んでいました(笑)

そして
0時をいくらかまわった時。

静まりかえった家のなかに
電話のかかってくる音がたった一回、
けたたましく鳴って切れました。

携帯ではなく、家電のほうです。

出るのも間に合わないくらい一瞬でした。

今のご時世
家電が鳴ること自体めずらしいのに、
あんな夜中に。
携帯ならまだしも、家電。
間違ってかけるような時間でもない。

深夜の家電は、
たいてい身内の不幸の可能性が
高いですが、翌日そんな電話が
かかってくることもありませんでした。

以上、これだけです。


「えっ電話鳴っただけ?なにそれ(笑)」
と思いませんか?
私もこれが怖い話に混じっていたら、
そう思ったと思います。

でも、
あの時体験した自分は、
本当に、本っ当に怖かったのです。

いつまでも読むのをやめない私に、
「じゃあこれから行ってもいいかな?」
という確認の電話をよこされたように思えて、
「あっダメです!ダメダメ
ごめんなさいやめます!ごめんなさい!」
とか言いながらすぐに読むのやめて
布団かぶって寝ました(笑)


ということは怖さは、
その体験と自分との距離に負うところが
大きいということになります。
もしくは、
どれだけ身近に感じながら読めるか。

その体験がたとえ話としては
ありふれたものであっても、
体験者が自分の身近な人であったり、
おこった場所が馴染みのある場所、
一度でも行ったことのある場所である
だけでも、ぐっと怖さが増しますよね。

なのでいつもそういう気持ちで読めたなら、
どんな話も新鮮に怖がれるんだろうなとは
思いますが、
そこまでもっていくのには
けっこう集中力とかがいります。
毎回毎回はむりです。
試合前のアスリートみたいになっちゃう。
怪談アスリートてなんなの(笑)


そうなるとやっぱり、
ほどほどの距離感で怖い話と
おつきあいするのがよさそうですね。

あんまり怖がれなくなってきたら、
「あ、もうお腹いっぱいなんだな」
という頃合いなのかなと思って、
いったんさよならするのがいいのかも
しれません。

またの再会を楽しみにしながら。


ちなみに、
今わりと好きなのは
本では川奈まり子さんのが
おもしろくてよく読みます。

「怖い話まとめ」のほうでは、
怖いというより不思議ちょっと怖い
くらいですが、
「石じじいの話」
というのがものすごくおもしろくて、
あの周期以外であんなにのめりこんで
読んだのは久しぶりでした!

石じじいとは、
石をその辺で拾ってきて売る
「石ひろいビジネス」、
つげ義春のリアル無能の人みたいな
感じですが、
そのじじいは、
もっとちゃんとしてたっていうか、
珍しい石を求めて深山幽谷まで
入っていって高値で売れる石を見極める
ことのできる目利きであったようで、
そのじじいが石ひろい中に遭遇する
怪異がおもに語られます。
のみならず、
しだいに石じじいの人となりや、
投稿者さんと石じじいのほのぼの
あたたかい交流もいい感じになっていき、
何気なく読みはじめたのに、
ぐいぐいひきこまれてしまいました。

とってもおもしろいです!ぜひ読んでみて!⬇️



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