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おとなになっても


一昨日、教習所を卒業した。
2ヶ月前雪の降る日に入所した。
資料請求自体はずっと前にしていたはずなのに、自分が車を運転することが恐ろしくてずっと入所を先延ばしにしていた。見かねた母からのいい加減にしなさいねをきっかけに入所へ踏み切った。

案の定くるまに乗ることは怖かった。
いや、いまだに怖い。対向車が大きな自動車だと「やめて!来ないで!」を連呼するし、それを聞いてる教官にはゲラゲラ笑われていた。いや、当たり前だよ、だって、みんなの道だよ。公道よ。
こんな感じでビビリで、運転に自信もないわけで、なんなら自転車も乗れないようなわたしだから、もちろん教習は一筋縄ではいかなくて。カーブで中央線をはみ出したり、縁石にごっつんしたりと、とち狂った運転を披露してきた。
勿論めちゃくちゃ落ち込むし、引きずった。
それでも3ヶ月間早寝早起き健康生活が苦手なわたしが毎朝8時半のキャンセル待ちに足繁く通えたのは、教官と事務のお姉さんの優しさあってのことだと思う。
どれだけへたっぴで、何度も何度も死の淵に引き摺り込んでしまったのに、教官はいつだって優しくて、明るくて、いつも応援してくれていた。
どれだけ緊張して、上手く乗れなくたって、励まして応援してくれた。
事務のお姉さんも、頑張れ頑張れと応援してくれて、本当に本当に人に恵まれていると思ってる。

初めて路上に出た日、頭が真っ白で、ハンドルを握った感触もないくらいに緊張していて、なにを聞かれても「怖いです!」しか答えられなくなってた。そんな時に教官に、
「今日この日のために、こうやって外回るためにずっとずっと練習してきたんだよ?」と一言言われて、全然何気ない一言だったのだろうけれど、
ストン、と胸に落ちたことを覚えてる。少しだけ冷静になれた気がしていた。
どんなに自信がなくて、19回車に乗ろうと怖くて怖くて仕方がなくて。怯えていた時も、「自信を持って、大丈夫だから」と言ってもらえるだけで、苦手な道を克服するために通ってもらって、
「これで苦手が無くなったでしょう」と言ってもらえるだけで、本当に肩の荷が降りていっていた。

おとなになっても、こんなに誰かに褒めてもらったり、やさしい言葉をかけてもらえるのは此処だけなんじゃないかと思う。

そんな、魔法使いみたいな優しい人に支えていただいた3ヶ月間は、一生忘れないと思う。本当にしあわせだった。
学生生活の締めに駆け抜けた3ヶ月間。たくさんの教官と、事務のお姉さんに支えられて卒業した一昨日。通うことが嫌で泣いていた日々が嘘のようで、いまでは卒業することが寂しくてちょっぴり泣いてしまいそうになった。
あした、免許センターで本免を受けてきます。
だいすきな教官とお姉さんに受かったよ!って言えるように頑張ってきます。
おやすみなさい🌛

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