相手の言葉を勝手に変換しない
例えば、
「料理が好き」と言った人に対して
「料理が得意なんだな」と解釈する人がいる。
料理がただ好きなだけで、得意だとは限らないのに。
「映画が好き」と言った人に対して
「映画に詳しいんだね」と解釈する人がいる。
映画を見るのが好きなだけで、映画全般に詳しいとは限らないのに。
「ギターが好き」と言った人に対して
「ギターが上手なんだ」と解釈する人がいる。
ギターを弾くのが好きなだけで、上手だとは限らないのに。
子どもが好きだからといって、子どもの扱いが得意なわけじゃないし
文章を書くのが好きだからといって、人に伝わる文章を上手に書けるわけじゃないし
コーヒーが好きで毎日飲んでるからといって、コーヒーの味の違いが分かる舌を持っているわけじゃないし
ある芸能人が好きだからといって、その人の何もかもを知ってるわけじゃないし
好きだけど、得意じゃない
好きだけど、上手じゃない
好きだけど、詳しくない
そういうことはたくさんある。
なのに、時々、「好きであること」と「得意、詳しい、上手」を勝手にイコールにしてしまう人がいる。
「え、だって、好きなんだったらきっと詳しいんだな、上手いんだろうなと思うのが自然じゃない?」という主張ももちろん一理ある。
「ベートーベンが好き!」と堂々と言っている人が、ベートーベンの生まれた国すら知らなかったら「お前は好きを語るなw 」と思ってしまうと思う。
だけど、そういうピンポイントな「好き」じゃなくて、もっとざっくりした「好き」を言いたいとき。
例えば「読書が好き」と言った後に「いや、でも全然詳しくはないですよ!月に何十冊とかじゃなくて時間があるときだけ!全然量は読んでないですよ!」といちいち補足するのって、なんか。
「私がいつ詳しいだなんて言いました?」って言い返せるような人はいいけど…少なくとも私は言えない。
いいじゃないか、好きなら好きで。
好きというだけで。
勝手に相手から「この人は詳しいんだ」と思われて、後からガッカリされないために念のため予防線を張らないといけないなんて、なんか面倒くさいし、ダサい。笑
勝手に都合よく自動変換せず、言葉通り、文面通りに受け取ってほしい時もあるのに。
「読書が好きで〜」と相手が言った時、
「そうなんだ!(本に詳しいんだ!)最近のオススメ本教えて!」
じゃなくて
「そうなんだ!どういう本を読むの?(どういうジャンルが好きなの?)」
と相手の「好き」に興味を持って深堀して、会話を広げられる人が素敵だなぁと思う。
勝手な解釈はせず、素直に相手の言葉を受け止めて、
相手に対してもまっすぐに興味を持てる人。
そういう人が本当のコミュニケーション上手なんだと思うし、そういうやりとりこそが対話なのだと思う。
言葉の裏や奥にあるものを上手に汲み取るのも大事だけど、変に考えすぎず解釈せず、言葉通りに受け取るのも同じくらいに大事だと思う。
そこの判断が絶妙にうまい人に、なりたい。
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