全日本プロレスの煽りVが凄い〜みんなで入ろう全日本プロレスTV〜
プロレスにおいて煽りV(メインイベントなどで入場前に流れる映像)は何のために存在するのか?単にかっこいい映像を流して会場のテンションを上げればいいのか?もちろんそれも間違ってはいません。しかしそうして消費されるだけではなく。一つの作品として繰り返し見たくなる煽りVもあります。そうした尺度で捉えると、私の中で最近とても響いているのは全日本プロレスの煽りVです。
何が私にとって響いているのか?それは「ファンに考える余地を残している」という部分です。直近のものでは10.2青柳亮生とライジングHAYATOの一戦がそう(再生開始目安2:12:45)。世界ジュニアに初戴冠した青柳は、これから自分が目指す未来として「全日本プロレスのジュニアを青に染める」と言いました。全日本プロレスジュニアにとって青という言葉や色。それが何を示すのか?観戦歴の長いファンであれば「あの人だ」と即答するでしょう。しかしこの煽りVでは「あの人」についての映像も。「あの人」の名も一切出していません。それでも観客の頭に間違いなく「あの人」はいました。
一方で新規のファンにとってはどうでしょうか?青柳の発する「青色に染める」「青という言葉は全日本ジュニアにとって特別なもの」。そうした言葉から青柳が何か意味のある言葉を発していることは伝わるでしょう。もしかするとツイッターでTLを眺めて。Googleで検索して。そこから「青の示す意味」を理解するかもしれません。
では対戦相手のライジングHAYATOの視点では?HAYATOは「昔自分が目指したヒーローになる」「そのために青柳の持つベルトが必要だ」と発言しています。全日本プロレスジュニアを共に盛り上げようと約束した青柳であっても。ベルトが一つしかない以上は倒すべき相手である。自分を変えてでも。自分をさらけ出しでも。それでも勝ちたい。ヒーローになりたい。そんな思いがHAYATOにはありました。若き王者と若き挑戦者は異なる方向ではありますが、双方ともに未来を掴むことを望んでいました。この一戦のテーマを煽りVの曲が更に盛り上げます。
アップテンポの曲を流して会場を盛り上げるだけではなく。試合のテーマを暗示させる選曲がなされています。また曲のタイトルがRemember Meというのも何か考えさせられますね。
煽りVでその試合や選手のPRポイントを全て見せる。もしくは「この試合のテーマはAだからそれを見てね」。そうしたいわゆる「新商品の使い方PR動画」にはわかりやすさはあります。しかしそこに観客が考える余地はありません。私はプロレスの持つ魅力は自由さにあると考えています。試合のテーマすら観客の判断に委ねる。そんな自由さです。全日本プロレスの煽りVにはそうした自由さがあります。100%明示するのでなく。観客が考える余地を20%残している。それこそが私の考える全日本プロレス煽りVの魅力です。
全日本プロレスの煽りVにはこれ以外にも様々な名作があります。
・6.19宮原健斗VSジェイク・リー(再生開始目安3:04:50)
宮原とジェイクの一戦がなぜ最終決戦なのか?己を信じ続ける強さと己を問い続ける強さ。本当に強いのはどちらだ!
原曲歌詞
・9.18諏訪魔VS宮原健斗(再生開始目安3:53:30)
壁としてそびえ立つ強さと全てを背負う強さ。未来に向けた約束。全日本プロレスはもっと遠くへ行くんだ!という決意
原曲歌詞
・9.19宮原健斗VS野村直矢(再生開始目安1:49:40)
絶大な輝きを持つ至高の王(あえて最高とは書いていません)に分厚いルールを破り捨てて立ち向かう挑戦者。あと一歩の差を埋めるための3年間はなんだったのか?
原曲歌詞
個人的にはこれらの映像をいつでも視聴できる。それだけで全日本プロレスTVに加入する価値はあるかなと思っています。みんなで見よう全日本プロレスTV。みんなで加入しよう全日本プロレスTV。