ノアジュニアの新しい景色〜小峠対HAYATA
トップ画像は@shun064さんの作品です。
清宮海斗が見せると宣言しているノアの「新しい景色」。それがjrの戦場で小峠篤司とHAYATAの二人によって表現され始めた。6.27にAbemaでの配信試合(無観客)で繰り広げられた王者小峠と挑戦者HAYATAのGHCjrのシングル王座戦。小峠が王者として見せつつあった「受身の強さ」とHAYATAのもつ「切り返しの妙技」。この2つが見事にマッチした試合だった。
ヘビーでの経験を活かした小峠の当たりに対する強さ。これまでの防衛戦は相手の攻撃をひたすら受け止め、そこからの反撃という流れが多かった。しかしこの日は最初から小峠がアクセルを踏み込んでいった。小峠はキルスイッチに繋ぐための首攻めには、エプロンでのDDTまで繰り出すなど徹底した攻撃を続けた。
一方のHAYATAも序盤は多彩な腕攻めで対抗する。また小峠の攻撃に対しても随所で巧みな切り返しで反応する。このあたりは元々技術に定評のあったHAYATAが1年以上の小川良成塾で培った賜物かもしれない。特に一度小峠のキルスイッチを食らい、試合の流れを離しかけた直後。走り込んだ小峠をフランケンシュタイナーでコーナーのターンバックルに叩きつけたシーン。このあたりの「リングの全てを使う」という着想は小川が得意とするものである。それをHAYATAが自分なりに解釈したシーンとしてとても趣きがある。
たが小峠も落ちない。武器である打たれ強さで、満を持してHAYATAが放ったへデックも耐え抜き、キルスイッチを2発発射。これで終わったかと思いきやHAYATAもまた沈まない。小峠のキルスイッチを鮮やかに切り替えしての逆転キルスイッチを決めて流れを掴むと、403インパクトと変形の403インパクトを放つ。さすがの小峠もこれには耐えきれず、HAYATAが勝利をもぎ取った。
近年のノアjrは原田が大黒柱として支えてきた。原田対〜という図式が長くノアjrの景色として定着していた。もちろんそこに小川や鈴木鼓太郎というパーツも組み合わさっていたが、遂に「小峠とHAYATA」という新しい看板カードもシングル戦線に現れた。更には論外やYO-HEY達が組織した新ユニット、PERROS DEL MAL DE JAPONもいる。ノアの新しい景色はヘビー級よりも先にjrが描いているのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?