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4.29プロレスリングノア両国大会〜積み上げから逃げないこと〜

行ってきましたプロレスリングノアの両国国技館大会。

大会前の獣神サンダーライガーのインタビュー動画などもありジュニアのみの両国で彼らが何を見せるのか?という部分で注目も集まっていました。

かなり試合数も多かったこの大会ですが、私は全体を通じて様々な選手の信念を感じ取ることができました。外国人選手との初対決で若さだけでなく確かな技術も見せた矢野安崇。ノアジュニア、そして己の腕に誇りを持っているからこそハードルを下げない鈴木鼓太郎。文字通りすべてをかけて戦った覇王と仁王。今の自分を全部出そうとした小峠YO-HEY。職人としての技術を見せた小川良成とクリスリッジウェイ。そして外敵ながらも王者として堂々と振る舞うEita。挑戦者でありながら相手を上から目線で見下ろすHAYATA。ここで触れなかった選手もそうですが、様々な方法でこの大会の成功のために自分の持ち味を発揮していました。

もっと言えば誰かががんばるからよい。ではなく。俺が頑張る。俺がやる。そんな気概ですね。あの寡黙なHAYATAが試合終了後にリング上でマイクアピール。そしてコーナーポスト四方に登りベルトをもって観客に姿を見せつけました。何かを変える。俺が時代を創る。ある種の覚悟かもしれません。

もちろん信念や覚悟を見せたからといってすぐに結果が伴うわけではありません。以前鈴木秀樹が言ったように「覚醒なんてない」「積み上げたものがなければ結果はでない」というのがプロレスの真理の一つかもしれません。その意味ではこの日は、小川良成なり鈴木鼓太郎といったベテランがそうした積み上げたものを見せた大会でもありました。メンタル面を改善すれば。団体側が推せばすぐに結果が出る。そんな簡単ではないという残酷な部分もプロレスにはある。

ですが一方で「積み上げたものは嘘をつかない」と捉えることもできます。結果が出ない=意味がないという意味ではない。結果が出るかわからない状況でも全力を出して。後悔せずに努力する。これは実生活でも難しいです。「全力を出さなかったからできなかった」と自分を守る方が遥かに楽ですから。しかしそうして積み上げから逃げても長い目で見れば成長はできません。短期的な結果で努力を放棄しない。結果が出なくても全力を出す。それはいみじくも三沢光晴のプロレスにおける姿勢とも共通します。

小川良成も鈴木鼓太郎も途方も無い時間をかけた積み上げがあったからこその今の腕を維持しているのでしょう。実際に彼らは結果のでない時期も長くありました。だからきっと大丈夫。あの日結果を出せなかった選手がいたとしても。ノアの選手として哲学を持ち積み上げを継続することができれば。その先に大輪の花を咲かせてくれますよ!



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