プロレスリングノア〜カルッツかわさき大会雑感
かなり時間が空いてしまいましたが、カルッツかわさき大会の感想を少し残しておきたいと思います。
結論から言えば「nextが気になる大会」でした。jrもヘビーもこれまでの枠組みや軍団闘争がこの日で一段落つき、「次の展開が楽しみになる大会」だったと思います。
jrではスティンガーとフルスロットルの抗争が一段落。個人的に一番注目していたjrタッグでは大原小峠が、小川HAYATAの王者組をあと一歩まで追い詰めるも惜敗。勝ったのは王者組でしたが、挑戦者組のテクニカルな動きがとても素晴らしかったです。
そしてjrのシングル王座戦。吉岡の一発戴冠を期待しましたが、鈴木鼓太郎が圧巻の横綱相撲で防衛。依然としてノアjrの高い壁として存在感を発揮しました。
その後はここまであまり結果を出せていなかった金剛が、ベルト防衛を果たしたスティンガーに戦線布告しました。TVマッチで存在感を示し始めた覇王、jrの規格超えのタダスケ仁王組と面白い組み合わせができそうです。スティンガーもここで金剛を降せばノアjrの完全制圧となるだけに、気合も入ってくるでしょう。
一方のヘビー戦線。まず気になったのは清宮と鈴木秀樹の絡みです。武藤戦に向けてグラウンドや試合の組み立てに成長を見せた清宮が、外敵鈴木秀樹にどこまで通用するのか?という注目箇所がありました。実際にはお互いがドリー式エルボースマッシュを出し合い、鈴木秀樹に先に膝を付けさせるなど、清宮の著しい成長の跡が感じられました。N-1には鈴木秀樹が登場しないだけに、「清宮鈴木のNEXT」がとても気になりました。
次にM's alliance。武藤が示唆していた新メンバーは船木誠勝でした。2000年に引退発表した船木が20年後にノアマットに上がるのは不思議な感覚です。拳王と船木という新鮮な絡みも良かったですが、気になったのは稲村でした。最後はM's allianceの各フィニッシュホールドを受けての轟沈でしたが、最後まで受けきるタフネスぶり。初出場となるN-1への期待が高まりますね。
そして最後はメインイベント。GHCタッグは選手権は潮崎中嶋対杉浦桜庭というレアなカードでした。桜庭とノアという一見水と油のような組み合わせですが、自分の良さをしっかり出していたと思います。特に関節技をメインにする選手がノアではほぼ不在なので、桜庭の良さが活きたように感じました。特に異分子と混ざると中嶋はとても活きますね。
試合自体は潮崎が杉浦のフロントネックロックに沈み、杉浦桜庭組が勝利。しかしここからが急展開でした。試合後に乱入した金剛の雅北宮と征矢が次期挑戦者に名乗りを上げました。更に中嶋がタッグパートナーの潮崎へバーチカルスパイクを炸裂。試合中タッチを拒否した潮崎に対して不信感を顕にするとともに、拳王と共闘=金剛入りを告げました。そして倒れた潮崎へ肩を貸すのは清宮。混乱するリング上でしたが、最後に杉浦軍がリング上で杉浦軍ポーズ(金剛ポーズ?)をとって締めるという形でした。
潮崎中嶋の分裂という衝撃的なラストを迎えたカルッツかわさき大会。ここ2年のノアは良い意味で「観客に沿う形」で話が展開されていたと思います。それ事態は決して悪いことではありません。しかしあまりに内側のファンばかりを見ていては、団体としての規模を拡大することはできません。8.10ダブルタイトルマッチしかり、8月のノアは良い意味で「賛否両論」が出るようになりました。SNS上でファンがあーだこーだと議論し、ノアファン以外にも今のノアが広まるというのはとても良いことです。特にN-1も控えてますしね。
カルッツかわさき大会は、ビッグマッチとして事前の話題を提供していました。そして当日は次のシリーズへの布石を打つという、とても骨太な大会だったと思います。
最後になりますが、今大会開催に向けて尽力した大原はじめにMVPを贈りたいところですが、彼はプロモーターではなく現役レスラーです。偉そうや言い方ですが、やはりレスラーとしてもっと光る姿を見たいです。なので、来年この川崎で戴冠したときにこそ、レスラーとして真のカルッツかわさきMVPを贈りたいなあと思いました。
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