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ノアジュニアにおける鈴木鼓太郎の存在感〜伝承者ではなく柱として〜

トップ画像は@shun064さんの作品です。

4.29両国国技館で開催される「ジュニア選手のみ出場」という大会。

この大会に向けてノアジュニアで一つ大きな出来事がありました。NOSAWA論外率いるPERROS DEL MAL DE JAPONに所属していたYO-HEYがまさかの追放。そして原田率いるノア正規軍への電撃加入。正規軍の層が厚くなり、いよいよユニットとしてもノアジュニアの中心になるか?という空気ができつつあります。そんな中で私が注目したのは「鈴木鼓太郎の去就」です。

2021年の鈴木鼓太郎はNOAAWA論外との共闘からPERROS DEL MAL DE JAPONへ参加し、ノアジュニアで戦ってきました。いわゆるヒールユニットといえるPERROS DEL MAL DE JAPONでも自分の持ち味を消さずに試合を行い。直近では2022年1.4の後楽園ホール大会でYO-HEYと組み、HAYATA&小川良成のGHCジュニアタッグに挑戦しました。この試合は鼓太郎とYO-HEYとがいわゆる師弟タッグ的な要素を纏い、試合自体もとても面白い試合でした。

ノアとしても1.1日本武道館から中3日での後楽園大会という状況でしたが、メインとしてしっかりと締めた試合でした。そして敗れはしたものの鼓太郎YO-HEY組はポテンシャルも高く、今後の成長に期待が持てるタッグでした。鼓太郎YO-HEY組はYO-HEYを自由にさせつつ鼓太郎がうまく合わせるという形でした。「脂の乗った選手とベテラン選手の組み合わせ」としてはまさに見本のようなタッグです。更に鈴木鼓太郎が持つ「三沢光晴の伝承者」という空気は「ノアの伝承者と継承者」という図式もありました。ベテランの層が薄いノアではHAYATA小川組が持っていた「過去と現在をリンクさせる空気」。それを纏える可能性のあるタッグが鼓太郎YO-HEY組でした。しかしそのYO-HEYがPERROS DEL MAL DE JAPONから離れたことでこのタッグは宙に浮いた形になりました。

ノア生え抜きのジュニア戦士かつ三沢光晴の元付き人。そうした記号的部分だけはなく。誰とでも合わせられる懐の深さと受身の巧みさ。これらはまさに「在りし日三沢光晴が持っていた部分」です。現在鼓太郎が若手と試合をするときは「相手の良さをすべて引き出す」「相手の技から逃げない」という部分が強く印象に残ります。だからこそ私は鼓太郎から現在そして未来の世代に「三沢光晴の匂いがするプロレスを伝承してほしい」という気持ちが強かったです。YO-HEYと組んでいたときは特にそう感じました。ですが今回の件を踏まえて少し私の考え方も変わりました。確かに鼓太郎から「三沢光晴の匂いがするプロレス」はいずれ誰かに伝承してほしい。しかしそれは果たして今なのか?

鼓太郎はコンディションが悪いわけではありません。2年前にGHCジュニア王者としてノアを席巻していたときから大きく調子を崩しているわけでもない。新型コロナウイルスへの感染こそありましたが、大怪我をしたわけではない。まだまだシングルタッグともにノアジュニアの中心に立てる。ベテランとして若手の壁になれる存在です。そう考えれば「誰かの脇に立って伝承する」のはもっと後でもよいかもしれない。私はそう考えました。

鼓太郎がヒールユニットに所属することに違和感を覚える人がいる。それはわかります。私もそう思うことはあります。ですがどんなユニットでもどこのリングでも。鈴木鼓太郎が試合をすれば、そこには鈴木鼓太郎ワールドが広がります。そして必ず根っこにある「三沢光晴の匂い」を観客に感じさせてくれます。

小川がGHCジュニアのシングルをとったのは50を超えた後です。それを考えれば鼓太郎が脇に立って老け込むのは早すぎます。もっとノアジュニアの中心に立ってもらいたい。特に4.29両国国技館大会という大一番が控えている状況。

所属しているユニットは関係なく。ここで鈴木鼓太郎が再びノアジュニアの中心に打って出る。そんな展開に期待したいです。


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