見出し画像

プロレスリングノア〜N-1決勝〜清宮VS中嶋

本日10月11日、大阪府立第一体育館で行われたプロレスリングノアのヘビー級シングルリーグ戦決勝。Aブロック覇者の清宮海斗とBブロック覇者の中嶋勝彦の対戦となりました。エース路線を走る清宮に対して「お前のヒーローごっこは終わりだ」と語る中嶋。そして「ヒーローごっこなんて遊びじゃない」と語る清宮。ある意味ふたりのイデオロギーがぶつかり合う試合となりました。

中嶋が現在のオーラを纏う過程と、ノアにおける効果については前回少し触れました。もう少し掘り下げると、「頑張ります!応援してください!」。お前はそう言うけど、それだけでホントに観客を呼べるのか?という中嶋から清宮への問い掛けも今回の戦いに含まれているかもしれません。

お互い異なる思想をもっているのであれば、戦って決着をつけるのがプロレスの掟。今日の試合はそう言わんばかりの激しい試合となりました。

序盤は清宮が中嶋の腕と首を攻めリズムを掴もうとしました。特にヘッドロックを掛けた状態から、中嶋にロープに振られてもその手を離さず締め続けるなど、清宮にしてはかなり感情剥き出しでした。中盤中嶋が得意の打撃で攻め立てるも、清宮はトップロープの攻防で雪崩式リバースDDTを決めました。潮崎とのAブロック最終戦では、ここから反撃の糸口を掴み、必殺のタイガースープレックスに繋げました。

しかしその流れを文字通り「断った」のは中嶋のハイキックでした。タイガースープレックスを返した後に、電光石火の如く中嶋が繰り出した戦慄のハイキック。まさに一撃で清宮の意識を断つと、そのままダイヤモンドボムに繋げ、中嶋が清宮を下しました。

2020年のN-1を制覇した中嶋は、リングに現れた潮崎と対峙しGHCヘビーを賭けた試合を潮崎に要求しました(恐らく11.22の横浜武道館決戦でしょう)。中嶋は今回のN-1で「腐りきったリーグ戦」「今のノアを壊す」といった類の言葉を発していただけに、ヒールとして捉えられることが多くなりました。そもそも潮崎を裏切ってましたからね。

しかしBブロック最終戦の丸藤戦ではこうしたコメントを述べているように、ヒールとは言い切れない点もあります。最初にも述べましたが、ノアを盛り上げる方法論の違いという形でしょうね。皆が同じことをしてても駄目。おそらくはそうした意味なのかもしれません。そして対清宮という点では、中嶋が勝利したことで中嶋の思想に軍配が上がりました。そして次はいよいよ潮崎との対戦です。潮崎にとっても今年初めて「ノアではなく潮崎豪を背負っての戦い」となります。藤田和之戦は対ノアの外敵、齋藤彰俊戦は三沢光晴の想い、丸藤正道戦はノアを背負う覚悟。自分以外の何かではなく、己の誇りと信念を賭けた試合になるでしょう。

N-1の熱気冷めやらぬ状態ですが、先の展開がとても楽しみになりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?