お見舞いにご褒美エッセンスを散りばめて ~宮本浩次ソロライブと青森海の幸~
青森で入院生活を続ける父を見舞うこと7ヶ月。父の頑張りはもちろん、現地在住の妹が毎日顔を出して支え続けてくれているからこそ、奇跡的に余命を越えてまだ語らうことができている。素晴らしいスタッフの方々や、父に関わるすべての方々に感謝しつつ、巡る季節を車窓に感じながら今日も行く。
きっと空から母がものすごいパワーで父を、そして皆を応援してくれているに違いない。
そんな日々の中で、1度は落選して諦めかけていた宮本浩次ソロライブのリセールに当選し、初日の王子に駆けつけた。
全身に宮本さんの魂の歌声を浴びて、今日は泣かないで楽しもうと夢中になっていたら、中盤の「PS アイラブユー」の歌詞が沁みて涙が溢れた。先月、身内を失ったばかりで、悲しみに蓋をしながら日常を忙しく過ごして来た。この時感情が揺さぶられたようにこぼれ落ち、次の曲に移るまで泣けて仕方がなかった。
行って本当に良かった。宝物を大切にポケットに持ち帰り、暫く頑張れる。いつも宮本さんは熱くて温かい。大人の本気に圧倒される。
近ごろは週末を利用して、家族を代わる代わる連れて行っている。
お見舞いのご褒美は「食」。
お寿司、のっけ丼、ラーメン、アップルパイ。
グルメの宝庫青森は何を食べても美味しい。
「青森に住みたーい!」と言う子ども達に、妹は「冬に来たことないからなあ。住めないって言うよ(笑)」と笑う。
来月には初雪が降るらしい。北国の本格的な冬を知らない都会の孫達がどんな反応をするのか、父に話して聞かせてあげられたらいいなあと思う。
妹家族に連れて行ってもらってから虜になったお店がこちらの「鮨処 あすか」。
いつも混んでいる人気店。
「もう東京の回転寿司に行けないよー。」と喜ぶ子もいれば、「東京も美味しいから行くけど…。うーん、旨い!」と笑顔全開の子も。
どれも身が厚く、新鮮でぷりっぷり。ホタテ愛が強い私はホタテに始まり、ホタテでしめる。夏のウニも舌の上でとろけて最高だった。もちろんマグロも。
欠かせないのは納豆巻き。実は青森の納豆はワンランク上の美味しさで、必ず食べたくなる。
サイドメニューも充実していて、中でも嶽きみの天ぷらと甘めの茶碗蒸しとシジミのお吸い物が絶品。時間が遅くなると売り切れの品も増えて来るので、できれば早めの入店を。
古川市場のっけ丼
市場で食券を買い、各店舗でお気に入りの具材を厳選してご飯にのっける方式。魚が苦手な方はお肉や他のお惣菜も売っているので誰もがわくわく楽しめる。
場内にある鮮魚店からは、水揚げされたばかりの新鮮な海の幸を地方発送できる。
春先は、お花見の頃の青森県民御用達のトゲグリガニを送って大好評。安くて毛ガニみたいに甘い。
お見舞いに来つつ仕入れもしつつ、な遠距離介護ライフ。頻繁に往復しているのにちっとも痩せないが、体力をつけて頑張るためには痩せなくても良しとしよう。
そろそろ暑さで控えていた海鮮の仕入れが再開できる季節。妹にもらった早生りんごも甘くて美味しかった。おっと、父に元気を届けるのが指命なのに、頭の中が食べ物でいっぱいに。もうすぐ病室に着くよー。待っててね。
「悲しみの向こう
立ち上がれ がんばろぜ 」を胸に。