時の踊り
時間とはなんでしょうか?
太陽と月の動きを捉えて
名をつけたもの?
砂がこぼれ落ちる瞬間を
閉じ込めた、あの小さな瓶のこと?
私は、それを宇宙の約束
ではないかと思っています。
(勿論、私達も約束の一部です。)
「時の踊り」ガエターノ・プレヴィアーティ
Dance of the Hours-Gaetano Previati
優美なのにどこか、追われている様な
彼らの踊りに胸が苦しくなりました。
彼らが手を伸ばす黄金の輪は
軽やかでありながら、確かな
約束に私には見えます。
そして、あちこちに
散りばめられた曲線もまた、
古から繰り返し守られた約束の様。
私達はこの上に
最後の瞬きまで過ごすのです。
(一体どこから来て、
どこへ向うのでしょうね。)
彼方に見える、光の差し込む円は
彼らの向かう先なのか
はたまた、やって来た場所なのか。
暖かな光と、優しい影は
約束の絶対的な迫力に潜む
私達の幸福や愛の様に感じます。
ふとした瞬間に、私は
疑問を抱くのです。万象の意味や理由、
膨大な疑問や不安に、しばしば
立ち止まり、途方に暮れます。
しかし、私が立ち止まっても
時はお構いなしに、確実な歩を進め
我に帰れば、傷は癒、嵐は去り
ダムは輝きを取り戻しているのです。
悲しみに暮れる夜更も
幸せに満ちた微睡の朝も
時は運び去って行きます。
私はすっかり驚きます。
私の、永遠にも思えた
感情すらも、運び去って行くのです。
それは時に憎らしく、
時に強力な味方になる
あまりに巨大な約束なのです。
すっかり忘れて過ごす夜更も
忙しなく追われてみる朝も
確かな約束の一部なのです。
私達が、例え黄金の輪から
こぼれ落ちても
それは決して、私達の元から
消えはしません。
どうか忘れないで下さい。
あなたは、あなたが思うがままに
安心してどこへでも
歩を進めることができるはずなのです。
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