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猿
ちゃん坊の好きなアニメ、それは「おさるのジョージ」。
なんか、ずっと、好き。
「ドラえもん」も好きだけど、ジョージの方が、よく見ているような気がする。
私は、子どもの頃に、絵本でジョージを知った。
当時はジョージという認識ではなく、「ひとまねこざる」と認識していた。
あるいは「キュリアスジョージ」とも呼んでいたような。
でも、子どもが見るアニメを一緒に見ながら、
この「おさるのジョージ」が、その「ひとまねこざる」のことだと、
自然に分かったし、受け入れられた。
調べると厳密には別物のようなのだけど。
私が子どもの頃、近所にペットとして猿を飼っている人がいた。
猿は、玄関先の前庭というような場所に、檻があり、そこにいた。もしかしたら、室内に入れることもあったのかもしれないが、基本、外で飼われていたと思う。外国生まれのミニチュアサイズの猿というよりは、普通のサイズの日本猿だった気がする。
飼い主の方は、父と同じ職場の人で、知り合いであった。女性で、幼児の私からすると「おばさん」という風貌であったと思うけれど、でも、もしかしたら今の私よりも若かったかのもしれない。
そして一度、私たち家族と一緒に動物園に遊びに行ったという記憶がある。目的が猿山だけであったとも思えず、普通に色んな動物を見るために遊びに行ったのだと思う。動物園には父の車で行き、車内でその方から「ミルクの国」という飴を頂き、その飴を初めて食べたうちの一家は、美味しいねと感動し、それ以降、母は時々、その飴を買ってくるようになったのは覚えている。
猿のいたおうちは、確かに距離的には近所ではあったのだけど、坂の上にあったことから、それほど気軽に行ける感じでもなく、また、何かの帰りなどにたまたま通りがかる、ということにもならず、その猿を見たのもほんの数回だったと思う。
黄色い帽子のおじさんと、ジョージは、ごく自然に一緒に生きている。ジョージは喋り出す前の人間の子どものようだ。
坂の上のおうちで、おばさんと猿がどんな暮らしをしていたのか、今では全然分からない。小さい頃に、教えてもらえばよかった。