VRChatに私がいた頃
私はかつてVRChatをやっていた。今はもう遊んではいないが、自分にとっては大事な思い出なので、ここに書き出しておこうと思う。
きっかけ
2020年、皆さんも私もコロナ禍にあったことだろう。
急に行動が制限され、家に居るのが専らの日々。暇だった。
人は暇が過ぎると、暇つぶしのために普段買わないようなものでも買ってしまうのだろう。
それが私にとっては、VRゴーグル(Oculus Quest)だった。
ほんの興味で買ってみて、Beat Saberだとかをプレイして、一通りVRへの驚きを体験した。
そうして、何か他にやるものがないだろうかと思って、見つけたのが「VRChat」だった。
始めたての頃
VRChatは知らない空間だった。
最初ログインした時はドキドキした。今まで孤独に遊んでいたVR空間に、意思のある人がいる。楽しみというより、緊張感の方が強かった。
とりあえず、交流するのは怖かった。
だから、ネットで調べた有名なワールド(プレイするための区画)をいくつか巡った。うっかり知らない外国人に声をかけられて逃げたりしながら、「意外と怖くないな」と感じた。そこからハマっていった。
世間話、それでも
インターネットには物好きがいるもので、毎週〇曜日といった周期でVR空間上で交流会を開いている。
時間に合わせて、人々が特定のワールドにログインして雑談をする。私もそこに参加した。
話の内容は、VRにまつわる話題が多かった気がする。初めて会った人は性格も趣味もわからない。それで振れる話題といったら、VRChatの話か、VRやパソコンの機器の話題くらいだ。
なんだかんだ、そういう話題も盛り上がるもので、誰かがギミックを盛り込んだアバター(*)を披露したり、新しいVR機材を話したり。
その頃、Oculus Questの最新版が出る前後で人の出入りも多かったし、賑やかだった。
楽しかった。今だってそうだが、VR機器を所有している人は少ないし、ニッチな話を生の(?)人間と出来るだけで楽しいな、と思った。
でも、少なくない人達はもっと別の、全然違った話題を話していた。
*VRChatはUnity(ゲームの基盤)を用いており、制限のもと様々なアバターを自由に製作できる
もう一歩、それができない
これはVRとは関係なく、インターネット共通の話だが、世の中には「ネッ友」を作れる人・作れない人がいると思う。
私は後者だ。
上っ面の話は出来ても、もう一歩、友達になるような踏み込みが出来ない。
だから、なんとなく「VRChatの知り合い」はいても、「VRChatの友達」は作れなかった。
VR上で友達付き合いをしているプレイヤー達がいる中で、私はずっと曖昧なコミュニケーションを続けていた。
芯のない、天気の話ばかりしているような。
自分でイベントを開いてみたこともあったが、自分で回しているだけで、それ以外に変わりはなかった。
私なりの楽しみ方
そんな私がVRChatを数か月続けていたのは、別の理由があった。
VRChat向けのの3Dモデルづくりが楽しかったからである。
VRChatでは、各ユーザが作成した3Dモデルを、ワールドに設置したり、アバターに着けることが出来る。
暇だった私は、自作でアバターを作った。見よう見まねで作ったアバター。でも、他の誰でもない私だけのアバター。
自慢げな気持ちだった。既製服ではなく、アレンジした服でもなく、私だけのオーダーメイドなのだから。
3Dモデル作成は自分で使うだけではない。他人にも共有できる。だから、booth(pixivの同人ストア)上で、ユーザがデータを頒布していた。
私も例に漏れず、同じようにboothで販売を始めた。
ただ、技術はてんで無かったので適当なものを出していた。それでも受けたものもあり、いいねが数百ついたものもあった。
狭いコミュティとはいえ、評価されると楽しいものだった。
なんか知らないけどやらなくなった
いつ遊ばなくなったか、いまいち覚えていない。
冬の終わり頃、引っ越す機会があったからかもしれない。一度習慣がなくなると、スンと執着がなくなるものだ。
今のところは遊び直そうという気はないが、悪い空間ではなかったとは思う。
また、機会があったら、頑張ってパスワードを思い出そうか。