日記(時間旅行)
今日は、教習所へ。
先週仮免は取れたので、今週から路上教習だ。
ドキドキしながら向かう。
ロビーで配車と担当教官を確認すると、
今日の配車は65番車、担当教官は幅寄(はばよせ)さんという方だった。
65番車に乗車して、しばらく待っていると細長い中年男性がやってくる。
幅寄さんだ。
「よろしくお願いします」
「お願いします」
物腰の柔らかい良い感じの方だ。
よかった。
幅寄さんは続ける。
「初めての路上で緊張すると思いますけど」
「はい」
「デロリアンに乗った気分で、お互い頑張っていきましょう!」
デロリアンに乗った気分?
「デロリアン?はい…」
「はい…」
「デロリアン?…」
「いや、あの大船…」
「あ、はい…」
「大船に乗った気分で、お互い頑張っていきましょう、と…」
「あ、なるほど…」
だとしても、日本語としておかしい。
「はい…」
「よろしくお願いします…」
「よろしくお願いします…」
私たちは路上へ繰り出す。
40分ほどの路上教習を終え、校舎に戻って来る。
「お疲れ様でした…」
「お疲れ様でした…ありがとうございました…」
私は65番車を後にする。
気まずさはずっとあったものの、
振り返ると、指示も分かりやすくてとても良い教習だった。
また幅寄さんのデロリアンに乗りたい。
幅寄さんもまた私とデロリアンに乗りたいと思ってくれていると嬉しい。