日記

今日は、深夜にザッピングをしていると、
歌番組にちょうどkeikoが出ていたので見ることに。

keikoは私が最近はまっている実力派シンガーソングライターだ。

アコギ一本と歌声で、多くの人を沸かせる。

2年前にメジャーデビューするにあたって

「稽古をしっかりする」という意味をこめて
芸名を「keiko」と自ら名づけた。

ちなみに本名は「恵子(けいこ)」だ。

ご両親は「恵みの多い一生を送れるように」という思いで「恵子」と名づけたらしい。

私がkeikoを好きになったきっかけは
ラジオ番組でゲスト出演していたkeikoのトークだ。

最近の悩みは何ですか?というMCの質問に対して

「バンドメンバーが稽古を頑張りすぎちゃうとこですかね(笑)。」

MCが、というと?と掘り下げると

「ライブや番組出演が入ると、バンドメンバーは3日前くらいから減量に入るんです。
なんなら断食くらいのノリで、かなりストイックにやるんです。
だいたい3日で、それぞれマイナス3kgくらいまで絞ってますね(笑)。」

それまで完全にながら聞きしていたが、私はちょっと気になってきた。減量って。

するとMCが、みなさん何のために減量を?と質問する。

ナイス質問だと思った。

keikoは

「人前に立つじゃないですか。
少しでもよく見せたいって。
我がバンドメンバーはほんとに(笑)。」

と言う。

だとしても、3日で3kgはなかなか難しい。
相当強いモチベーションがないとできないことだ。

keikoは続ける。

「それでもう、みんな飲まず食わずなので
みんな鉄分やらビタミンやら色々不足してますからふらふらで、稽古はもう稽古にならなくて。
それでも練習はしなきゃならないから、もうみんな異常ですよね(笑)。
はい、それが私の悩みですね。
毎回本番を乗り切れているのが不思議なくらいです(笑)。」

私は、ほええ、と思った。

MCは、ほええ、と言う。

それからkeikoは

「あでも、ドラムのtaiyoだけは、いつも通り普通に食べて飲んでしてますけど。彼だけです。異常じゃないのは(笑)。」

と付け加える。

taiyo、ちゃんとドラムキャラのドラマーなんだなあ。


そんなkeikoとバンドメンバーを、
私は今日映像で初めて見る。

今までは音楽サブスクで聞いていただけだったので、彼らのビジュアルを見るのは初めてだ。

youtubeなどで見ようと思えばいくらでも見られたが、
これまでなんとなくタイミングがなかった。

画面の中でkeikoが動いている、歌っているのは
ちょっと感動だった。

バンドメンバーはどんな感じだろう。

ギターのお兄さん
キーボードのお兄さん
ベースのお兄さん

たしかにみんな減量後ということでなのか、
疲れた顔をしている。

ベースのお兄さんは、時々弾く手を止めてこっそり足元にしゃがんで休憩している。

お兄さんは1度頭をもたげて、ふううと大きくため息をついてから、また復活する。

見ているこっちがしんどい。

キーボードのお兄さんは、30秒に1回くらい、ぴくりとけいれんを起こしている。

心配になる感じの、普通に病院に連れていきたい感じのけいれんだ。

ギターのお兄さんは、シンプルに顔が疲れている。

ただ、3人とも思ったよりかなりふっくらしている。

肌艶だけ悪いので、異様な感じだ。

よくは映っていないと思った。

プロとして絶対に良くはない。

パフォーマンスもいまいちだ。

演奏していた曲はkeikoのデビュー曲「人前で」だ。

Bメロに差し掛かったところで、ベースのお兄さんかしゃがんだ休憩の状態から、
頭上に指で×マークを作る。

限界のサインか。無理しすぎるから。

もう本人でダメだと判断したのか、お兄さんは這うように袖にはけていった。

数秒後、袖からプシュという音とともに

「コーラうめー」

という声がうっすら聞こえた。

減量後のコーラはうまかろうと思ったが

完全にkeikoや歌番組をなめている。

人としてやばすぎると思った。

そしてそれを見てか、
ギターのお兄さんもキーボードのお兄さんも、
さっきと同じ要領で袖にはけていく。

それから、プシュという音と

「コーラうめー」

「コーラうめー」

という声がまたうっすら聞こえてくる。

それから

「うめえな」

「うめえ」

「げっ」

「ま、ゲップすんなし」

「あはは」

「あはは」

とも聞こえて来る。

みんな人としてやばすぎる。

結局3人がはけていってしまい、
舞台に残ったのはドラムのtaiyoとボーカルのkeikoだけになってしまった。

taiyoは、かなり痩せてこじんまりしたおじさんだった。

taiyoという感じでも、ドラマーという感じでもなかったので笑ってしまった。

taiyoも楽しそうに笑いながら叩いている。

「人前で」はサビを過ぎて間奏に入る。

すると、taiyoはおもむろに席を立ち袖にはけていく。

それから

「ポンうめー」

という声が聞こえてくる。

おっさんもか、むちゃくちゃだ。

人としてむちゃくちゃだ。

それからうっすら会話が聞こえる。

「おっさんわかる、ポンジュースもうめえよな」

「うめえ」

ポンジュースだった。

とうとう舞台上にはkeiko1人残された。

たまたま点けた歌番組で、えげつない展開だ。

この人としてやばい人たちの行動による
ハプニングの中、

持ち前の弾き語りの技術で、keikoは1人で
ちゃんと最後まで完奏しきった。

立派すぎる。

去り際に

「ありがとう。みんなどっか行っちゃったけど(笑)。これからも自分らしく稽古頑張るよ(笑)。」

と言う。

keikoは器が大きすぎる。

稽古これからも自分らしく頑張って欲しいなあと思った(笑)。

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