ナビの嘘つき11月6日(水)
今日は 妹の住む市に用事に行き
妹に渡すものがあったので待ち合わせてランチをする予定だった。
ナビに住所を入れてそこへ向かった。
妹には山の中みたいだよとは聞いていた。
ナビの言う通りに細い山道に入った。
軽自動車が一台やっと通れるような道だ。
この道の先にレストランがあるという。
そりゃあもうすごい坂道、クネクネと曲がり
エアピンカーブとでもいうのかすごいカーブが幾つもある。
それだけならまだしも
助手席側から見るとちょっとハンドルを切り間違えたら
真っ逆さまに谷底に落ちる。
こんな所には熊だって住まないよ。
お尻の穴がムズムズするような崖っぷちを走っている。
緊張して運転している夫と こんな先でレストランをやる人がいるんだと話しながら
走ること20分以上 行けども行けどもレストランらしきものは見えない。
山の木々には 止め山という看板があちこちにかかっていて
監視カメラがあるとかいう表示・・
そうか、ここは松茸が取れるんだねと話す。
ナビを見るとあと4キロ となっているその時
左に曲がれというナビの声・・なんだけれど
なんと!通行止めになっているではないか。
途方に暮れる夫 と私。
集合時間は刻々と迫っている。
通行止めということはどこかに抜け道があるのか・・
分からないので店に電話することにした。
マスターらしき男性に山道をきたが通行止めになっていると
伝えると
「へ?山道?うちに来るのにそんな山道はないのですが。。通行止めという連絡も来ていませんし・・」と。
「車のナビできましたか?たまに住所を入れるととんでもない所に案内することがあるようですからGoogleのナビを入れて見てください」と
電話を切ってGoogleで入れてみても・・
やっぱり同じ道の案内だ・・。
夫婦揃って車から降りてあちこち見渡すがなんか・・とんでもない所にいるような気がした。
そこに一台の軽自動車が登ってきた。
おそらく 絶望感漂う老夫婦を見て放っておけなくなったのだろう。
車から降りてきてくれた。
「どうしました?」
夫が iPadを出し
「このレストランに行きたいのですが 通行止めになっていて」というと
この道を行っても車は通れないしこの店に行く事はできない。
一番下まで戻ってこの道を行くしかないですよ とiPadの地図を指さし
「もうここはこの山の頂上です』
と言って去っていった。
呆然とする夫
「俺がこんな間違いをするはずがない」という顔。
レストランの住所を見て
「ほら、ナビに入れた住所は間違っていない」と言い張ったところで
違っているのだから・・
狭い道だ。崖から落ちそうな場所で慎重に方向転換をして
今来た道をひたすら戻った。
この細い山道 登るより下る方が 100倍怖い。
あーよくドラマであるよねこういう場面。
崖から車ごと落ちるんだよ。
老夫婦がさ・・
ちっとも待ち合わせの場所に来ないからと妹たちが警察に届けると
さっきのおじさんが 道を間違えたらしいという証言をしてくれるんだよね
なんだか泣きたくなりながらきた道を一番下まで下りた。
そして再度Googleマップに入れると
どうやら今度は正しい道を案内し始めた。
だが、車のナビはどこまで行ってもさっきの山道へ戻れという・・。
「バカだよね! このナビは」と怒って言いながら・・
レストランまでの道はマスターのいうとおり
決して山道ではない広い道・・
まあ 予定時間20分遅刻で着いたのだが
どうやら
私と夫は
一山超えて そのレストランへ行こうとしたらしい。
車のナビは距離的に一番近い道を案内したらしいが
車が通れない道だったんだよ、そこは!
もう信じない車のナビは。
散々な思いをしていったレストランだったが
お料理はとても美味しかった。
妹のいう山の中ではなく山の麓の素敵なレストランだった。
あーでも疲れた。