2022年 楽曲沢村賞

12月某日、都内某所。有識者たちが集合し2022年の楽曲沢村賞の選定会議が開かれていた。

「よろしくお願いします。それでは今年の沢村賞を決めていきましょう」
「今年も楽曲10選をチョイスしました。それでは見ていきましょう」

「やはり今年の最本命はTokyo 7th シスターズから『Make our sound』でしょうか」

「賛否両論はあると思いますが、前体制7年間の総括に相応しい楽曲かなと思います。『君が孤独に負けそうな時 私の音で勇気をあげたい』、この部分が“ナナシス”とは何たるやを端的に表した最高のワンフレーズで爆刺さりでした」
「どこまで関わってるのかは分からないけど、Team 7thからこのメッセージが出たのは割とデカイよね」

「対抗馬としてはアイドルマスターミリオンライブ!から『Sing a Wing Song』も良かったですね」

「MS2(M@STER SPARKLE2)のトリがこれ、っていうのも良かった」
「MS2は一時期刺さりが少なかったからどうなるかと思ったけど、最終盤でものすごい伸びを見せましたね」
「まるでゼラス・ウィーラーの1年目のようだな」
「誰かの背中を押してあげるってイメージがあまり琴葉に無かったから、すごい前向きな歌っていうのが新しかったし、何よりメロディーが素晴らしい」

「MS2で言えば美也の『Walking on the Square』も上位候補に入ってきますね」

「将棋盤とカレンダーのマスをかけてゆっくり、でも確実に進んでいく美也っていう意味と知った時は『ああ、なるほどなァ〜』、と」
「『ぎんのさっ!じっ!でっ! ぐ〜るぐるっ』がかわいい 食べちゃいたい」

「あとこれもMS2で申し訳ないんですが、やっぱり我ら練馬周防会※の誇る周防桃子の『リーチ・アップ・ステップ!』、ぜひ聴いてください」
※練馬周防会…練馬で周防桃子の不許可応援活動を行うオタクの集まりで、変なユニフォーム(正規品)を着る・特定選手応援スタイルを行うなど活動は多岐にわたる。現在会員1名

「桃子のソロはてっきりバラードだと思ってたから、こんなにノリのいい曲もらっちゃっていいんですか?となった」
「MS1の初手が『ローリング△さんかく』だったんだけど、あの時の『こいつはとんでもねえのが来ちまったな…』ってのを思い出すイントロだった」

「ソロ以外もいきましょうか。『紙・心・ペン・心 -SHISHINPENSHIN-』も思い出に残る曲でしたね」

「こういう"陽"の同人活動をしたことが無いけど、まあ根幹は陰でも陽でも一緒だな、と」
「曲自体が刺さったとはまた違うけど、言いたいことがわかり過ぎちゃう」
「作る側も読む側も『上手い人だけ同人誌出せばいいじゃーん』って考えに陥りがちだけど、"好き"を発露するのが同人即売会であって、そこに上手い下手はあんまり関係ないのかな、と思いたい。もちろん金銭的な面で全部は買えないし、ものすごい赤字出してまで刷る訳には行かないけどさ」

「バラード部門からは『ふたり繋ぐ星座』が一番良かった」

「麗花さんがこういうしっとりとした曲を歌い上げるってのはあまり無かったから、ギャップがすごい」
「それでいてしっかり仕上げてくるのは流石だよね」
「だってキャラクターと真逆だもん。でも大人組のソロにこういう曲を持ってこれるあたり、ミリオンの運営も分かってるなあと思った」

「大人組のソロといえば『Contrastet』も良かったね」

「歌織さんのソロは最初が端的にキャラクター性を表現してて、2曲目以降は明朗闊達でかつ伸び伸びと歌ってる感じがしてて凄く聴いてて楽しい」
「紬のソロは、3曲ともどこか和のテイストを感じるんだけど、歌織さんのソロは洋に振ってる。その対比がまた良いよね」

「洋に振った曲としては、ビッグバンドジャズっぽい曲調の『Shamrock Vivace』が上半期では最高だったなあ」


「前作のダイヤモンド・クラリティがアイドル曲っぽかったので、あと3つもアイドル曲らしく行くのかと思ったらびっくり」
「最後の大サビの歌詞でSTANDING ALIVEみを感じた」

「今年はミリオンの年でしたね。一般枠ではどうでしょう?」
「個人的に一般枠で刺さったのはMrs.GREEN APPLEの『ダンスホール』」

「これまた底抜けに明るい曲で元気が出てくる。ナナシスの背中の押し方とはまたちょっと違った背中の押し方で刺さりポイントがちょっと違うことでブーストしてくれる」

「楽曲10選、最後は悩みに悩みましたがAsterlineの『Starlight☆Asterism!!!』で」

「思う所は色々あるけど、純粋に楽曲という評価では悔しいことにめっちゃ刺さった」
「最後の最後までこの曲をセレクトするかは悩んだけど、12/18の周年ライブを見て気持ちに区切りが付き、楽曲をフラットな気持ちで聴くことが出来るようになったかな」

「以上で今年の楽曲10選を終わりたいと思いますが、最後に一つだけよろしいでしょうか?この曲は原曲2021年発表なので選考対象外なんですが、どうしても紹介しておきたい曲がありまして…」

「文藝天国の『エア・ブラスト』です。この曲、今年鉄道150年記念のCMで使われたんですけど、なんか移動の本質みたいな物が見えてきてエモいな、と…」

「誰かに会いに行く、って事ももちろんそうだけど、景色だったり、温泉だったり、ライブだったり、イベントだったり… 人が移動するっていうのは何か目的があっての事。そこを再認識させてくれた」
「ちょうどこれを知ったのが下灘駅に旅行しに行った時なんですが、なんか瀬戸内海が見えた瞬間この歌を思い出して涙が出てきたのを覚えていますね」


あの有名なアレ

「もしかしたら失恋の歌なのかもしれないし、恋煩いの歌なのかもしれない。でもそれって、直接会って伝えないとどっちか分からないじゃないですか。なんかそういう、直接気持ちを伝える事の重要さみたいな感じのものがピッタリですよね」


「さて、改めて今年の楽曲10選が出揃いました。それでは今年の沢村賞を発表したいと思います。2022年楽曲沢村賞は『Make  our  sound』です!」
「こちらの選考理由は、メロディが好みであること、また歌詞の節々に『7年間の総括』を感じさせて2022年、いや、コロナ前からのナナシスというコンテンツの集大成を感じさせてくれた、という点が大きく評価された形となりました」
「前述の2番サビもそうですが、大サビ前の『あの溜め息も その微笑みも 君のメロディー』って所からの歌詞が本当に良かった」
「いい意味で区切りをつけられたのはこの楽曲のおかげです。本当にありがとうございます」



「今年の楽曲沢村賞選考、振り返っていかがでしたでしょうか?」
「一番思ったのは『やっぱりサブスク便利すぎる!』って事。こうやって聴いて欲しい曲があったらリンクを貼り付ければ聴いてもらえるんだもん」
「賛否両論あったけど、アイマスシリーズがサブスクやってくれて本当に良かったと思いますよ。もちろん、ブランドやレーベルによって色々な考えがあるのは承知しているけれども、今回の『Make  our sound』や『紙・心・ペン・心 -SHISHINPENSHIN-』のように噛み締めながら歌詞を全部読んでほしい歌も多いですし、やっぱりCメロからの大サビの流れは日本人大好きでしょう?ぜひフルバージョンの配信よろしくお願いします!」

「それでは、以上で本年の楽曲沢村賞選考を終了いたします。なお、あくまでも個人の感想及び選出ですので、その点はご了承ください。最後に、2022年楽曲10選のプレイリストを貼って、今回の締めといたします。ご静聴ありがとうございました!」

https://music.apple.com/jp/playlist/2022%E5%B9%B4-%E6%A5%BD%E6%9B%B2%E6%B2%A2%E6%9D%91%E8%B3%9E%E5%80%99%E8%A3%9C/pl.u-XzZkuZxplvj

いやー!やっぱりサブスク便利だわー!

追記:Spotify派の人はごめんね

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