マリーキュリー感想

発表された時からチケットを取るかずっと悩んでいた。
今年は宝塚で見たい演目が多いし、外部の舞台を見てはやっぱり宝塚が好きだなと思うことも多く、やはりチケット取るのは控えようと自分に言い聞かせ過ごしてきた。
チケットも持っていない、いつから始まるのかどこの劇場かも知らない状態だったのだが、たまたま休日に思い出して調べてみると、明日のチケットが取れる…?え?前日でも買えるの?旦那も一人で出かけると言ってるし、え?行っちゃう?
と、突然の思いつきで翌日のチケットを購入し、当日引き換えで席もわからぬまま、3Fでもどこの席でもいいようにアトレックを握りしめて行ってきた。

初めての天王洲アイル 銀河劇場、初めての当日引き換えだったので早めに到着し、チケットを引き換えてもらった結果、1Fの前方席…!え、そんなことある?と動揺を隠せないままプロントのパスタで腹ごしらえ。
席に着いたら、アトレック要らないぐらい見やすい席で、箱も小さくこじんまりしててとても良かった。

キュリー夫人は初めて読んだ伝記だったけどそんなに内容覚えてないし大丈夫かな、と少し心配だったけど杞憂に終わった。
まず、内容は見ていてとても苦しい。科学によって新しい知見や技術がもたらされ、今の便利で豊かな時代があるけど、それはたくさんの犠牲により成り立っているということがとても苦しかった。舞台を見ているこちら側はラジウムによってこれから何が起こるかわかっているから余計見ていて辛い。医療にせよ何にせよ、多くの犠牲を払って発展してきた歴史があると、ものすごく実感した。
ただ、マリーキュリーは純粋に憧れるし、本当に尊敬する。男性社会で負けじと踏ん張り、ひたむきに研究を続けて2つも新しい元素を発見して…本当にかっこいい人だと思う。
そんなマリーキュリーを演じたちゃぴちゃんはコロナ前のエリザベート以来だったけどめちゃくちゃ素晴らしかった。「私には次の機会なんてない」という叫びは胸を掻きむしられたし、2幕はアンヌとの「あなたは私の星」からずっと涙が止まらなかった。私はちゃぴちゃんの宝塚時代にはぎりぎり間に合わなかったけど、今見ることができてとても幸せだと思う。マリーキュリーとして生きるちゃぴちゃんを見れて本当によかった。
アンヌ役の清水くるみさんも熱演されていてとてもよかった。ヘアスプレーの時はとてもキュートな役だったけど、今回も素敵に演じられていてめっちゃ好きになった。頑固で無愛想なマリーと対比になるような愛らしい明るい性格のアンヌだったけど、芯はすごくしっかりしていて、仲間たちに代わって、ラジウムの危険性を主張する場面は胸を撃たれた。

フィクションも混ざりあった舞台とのことで、色々感情が揺さぶられたけど総じて非常に良い舞台だったし、本当に観劇できてよかった。何故チケット余っているのかが本当にわからないけど、思い立ってすぐ観に行けるのもいいものだとも思った。
今年一良い作品だったのではと既に思っているくらいなので、全人類にみてほしい。

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