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File.0 秘密結社のはじめかた
2020年。茨城県鹿嶋市。
とある日、ぼくらの秘密結社はうまれた。
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ぼくは都内の大学を卒業し、生まれ育ったまちへ戻って就職、結婚。
よくある平々凡々な人生の物語を送っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1693319242159-QexD2VbDeR.jpg?width=1200)
鹿嶋市は人口約6万人のまち。
ぼくは20代後半からNPOや地域活動へ興味を持ち始めた。
はじめは、地域活動の場で自分の力が役にたてるんじゃないか、
なんて密かに思っていたと思う。
ある地域団体の活動にかかわった。
活動していくなかで
「地域の役にたとう」
「人の力になろう」
そんな思いに疑問を感じて、モヤモヤする日々が続いた。
答えをだすべく己に問い続けた結果、ある日気がついた。
ぼくは、地域のためには活動していない。
自分のアクションで人を幸せにできるのは、せいぜい半径数メートルとか、そんなものだ。
人のためにと思いながら、ぼくはぼく自身を救っていた。
答えを見つけたら、なんだか視界が開けたようで気持ちが良い。
そして大抵のことが「自分のため」「自分たちが楽しいから」やっていることを、主語を大きくしているだけのように思えてきた。
他にも、地域活動に窮屈さを感じるときはあった。
「Aさんはやってくれるのに、Bさんは何もしない」という考えはとても窮屈だった。イベントの集客には毎回苦労した。
行動力がある人に振り回されたり、「ぼくは今回やりたくない」とは言いにくい雰囲気があったりもした。
ぼくが思い描いていた「第3の居場所」とはほど遠かった。
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「楽しいと思えることだけをやろう」
行きつけの美容室でそれまでの活動を愚痴りながらも、そんな話をしていた気がする。
「俺らは、カフェに行きたいねー!いいねー!って言ってるときが一番楽しくて、別に行っても行かなくても大丈夫なんだよね」
美容師であり、もくもく部の部長になる男はそう言った。
「たしかに。妄想とか空想して楽しく過ごしたい。行動したかどうかは、重視していない」
「あれやりたいね、こんな事したいね、って言い合えるだけの場があってもいいかもしれないね」
「いいね、そんなコミュニティ!それならロゴも作りましょう」
「妄想をふくらます…やりたいことをもくもく考える…こう、頭がパッカーン!ってわれて、煙が出てくるみたいな!?笑」
「それでいこう!」
ぼくらの妄想が膨らんでいった結果、
そうだ、秘密結社にしよう。
SNSへの顔出し不可(仕事の都合もある)、
誰がやっているかはわからない。
謎の集団なんて、響きがいいじゃないか。
まちの水面下で密かに集まり、語りあう。
部員はぼくらと近い思想の持主がいい。
気づいたときには、まちの1万人ほどが部員となっていたりしてーーー
![](https://assets.st-note.com/img/1693280072044-aBYsBjZfmd.jpg)
こうして、僕の理想と妄想をつめこんだコミュニティ、秘密結社「もくもく部」はうまれた。
ぼく:もくもく部副部長。デザイン担当/30代。ニコニコしながら抱くのは反骨精神。「なぜ」を考えるのが好き。変人と思われるのを喜ぶ水瓶座。活動の記録を書いていく。
部長:もくもく部部長/40代。基本的に本職が忙しいので、副部長の話を聞く、妄想をふくらますメンター的存在。言語化するのが得意。話好き。