File.4 なぜなぜ会
これは2022年、夏の終わりの話。
なぜなぜ会をひらきました。
なぜなぜ会とは、小さな疑問も大事にして、自分なりの答えをゆっくりと探そうという会。
例えば、
「地域を活性化させよう!」と言われれば「なぜ?」と問いたい。
「鹿嶋の魅力は海があること」と言われたら「ほんとうに?」と深堀りしたい。
なぜ、イベントがしたいのか。
なぜ、まちに愛着があるのか。
なぜ、人と人は繋がる必要があるのか。
なぜ、住民は困っているはずだと思うのか。
そもそも、なぜ、「まちづくり」をしたいって思うのか。
とても便利な言葉はたくさんある。
それを自分の言葉でなく、どこぞの偉い人の言ったそのままに気持ちよく話していないだろうか?
ぼくらは、安い共感をしていないだろうか。
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2020年にもくもく部を作りはしたが、部員集めや活動についてはままならない状態でいた。(とはいえ部員は部長と副部長含む5名にはなった)
ぼくの生活の変化(とくに家族、子どもたちの成長に伴う変化)も大きく関係し、活動に時間を割くこともできないまま頭の片隅においやった。
変わらず出来た事とすれば、部長の店で髪をきりながら、やりたいことや色々な話で盛り上がっては、切られた髪の出来上がりも確認せずに満足して帰るということくらい。
そんな停滞をしている中、機会が訪れた。
簡単にいえば、地域活動の交流会のような場所に参加してみた。そこには職業も違えば、年齢もバラバラ、地域にかける熱い思いがある人たちがたくさん集まった。けれどぼくは、話し合っていくごとに居心地の悪さを感じていた。
その居心地の悪さの正体がどうしも知りたくて、それまで何もしていなかったもくもく部の最初の活動として「なぜなぜ会」を開催しよう!と決めた。
決めたとはいえ、このときはなちょさんに半ば強制的に参加してもらい二人で行った。
なのでファシリテーターも運営も何もない。
二人ではあったけれど「なぜなぜ会」のイラストを描いたり、アクリル板で作った看板の出来にはかなり自己満足している。
それからちょっとしたお菓子を用意して(確かほうじ茶のチョコとかだった)「形」を整えることがぼくにはとても楽しい作業だった。
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二人で話をしていくうちに出た一つの答えとしては、
地域資源をつかってビジネスをしたい、儲けたい!地域に人がきて賑わうことで自分たちの利益にも繋げていきたいという思いや、新しい仕事をつくり、雇用を産み、経済が潤うためのまちづくりもあれば
もっと自分自身の生活を豊かにしたい、自己実現をしたいという生活の延長線上。趣味のような思いのまちづくり(もくもく部はここ)
自治会やPTA、地域のゴミ広い、住民体育祭や地区のお祭り、子ども会。ほんとは大変だけど、みんなで協力し合って生活する努力もまちづくりで、
そのどこに自分たちが立っていて、得たいものが何かによっては同じ言葉でも同じじゃない。それに気が付かず少しずつズレを感じていくのだろう、というものだった。
例えば「祭」がしたい。
それが市全体、行政を巻き込んで市外からの人たちも呼び込むような大きな祭なのか。
地区という小さなエリアで、集めた区費をつかって地区のみんなで楽しむ祭なのか。(子どもたちは無料で屋台を楽しめ、大人はビールが安く飲めると喜ぶ。自分たちが区費を払っているから!)
どちらも地域活性化だと思うし、まちづくり。でもその一言で括ってしまうのは少し寂しいと思った。
きっと、大きな祭に隠れて小さな祭が見づらくなってしまう気がするから。
大小ではなくみんなでこのまちを形成しているということを感じたい。
答えが出たようで実は出ていない、でもこれからも問いていこう、とふわっとしつつ、会は終了した。
けれど「なぜなぜ会」ができたことは停滞していたもくもく部にとって、大きな機会となり、1人でも出来ることから動いていこうと思えたのだった。
できればまた、開催できるように。
小さな子どものように、なぜ?を大事にしていこう。