(3)既卒フリーターが公務員試験を最終合格するまで

臨時職員の採用面接では、これまでの経緯を全て洗い晒し話をした。
“公務員にどうしてもなりたいので何でもやります。一生懸命働きますので働きながら現場の仕事を勉強させて下さい。”

そう面接官に伝えると笑顔でそういった経緯なら是非うちで働いて経験を積んで行って下さい。どうぞよろしくお願いします。

その日のうちに内定をもらうことができた。

働き始めてからは、約束通り一生懸命働き貢献しようと努めた。また正規職員の方々も、私に色々な公務員の現場を見せようとしてくれた。とても暖かい雰囲気で迎え入れてくれたことや現場の仕事を真剣に教えようとしてくれる姿勢に感動し、この人たちの為にもっと働いて貢献したいと考えるようになっていった。

そして任期が満了し、退職する際に花束を頂いた。わずかな期間しか在籍していない末端職員なのにも関わらず。励ましの言葉や労いの言葉をたくさん掛けて貰って職場を後にした。

帰宅途中に泣いた。公務員受験という冷たい世界にどっぷりと浸かっていた私の心は、某広域自治体の職員の方々の暖かさに触れて、その優しさに触れて、ボロボロと涙が溢れ出た。

またいつか一緒に働きたい。恩返しをしたい。

この想いで心がいっぱいになった。

こうして私の志望先が大きく変化していった。


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