マイローテの大会が意外と面白かった話
◎まえがき
突然だが、このnoteをご覧になってる皆さんはShadowverse 7th Anniversary Special ミリオンカップに出場されただろうか?
筆者は最近、ろくにシャドバをやっていなかったのだが、きまぐれで参加した本大会が面白かったので、調整記録の一部を記事にすることにした。
本大会は、
・6/15発表→6/24予選開始で、調整期間が極端に少ない
・1~11弾、12~21弾、22~27弾環境のそれぞれ独立した3つの環境で1つずつデッキを用意しなければならない
・しかしフリーマッチは上記3つの環境が混在しており、ろくに調整ができない
とかなり尖った形式であったが、個人的には大変楽しむことができた。
特に、想定外の流動性を見せた1~11弾環境の変遷はかなり面白いものであったため、本記事では1~11弾環境にフォーカスし、大会当日までの環境の変遷とデッキ評価の移り変わりを記していく。
ただ、客観的な結果だけを淡々と書いてもつまらないので、筆者が当時どのように調整をしていたか、デッキをどう評価していたかを、時系列順に日記のような形で記してみた。この調整~大会までの過程が楽しかったことが、なんとなくにでも伝わればと思う。
◎調整開始~ユーザー大会1回目開催まで
きまぐれで大会参加を決めたは良いものの、1人で勝ち抜けるような簡単な大会ではない。調整相手がおらず困っていたが、家が無くて賞金の100万円を狙ってそうな人を発見。早速仲間に入れてもらうことに。
また、ホームレスさんはユーザー大会も毎日開催してくれた。前述したようにミリオンカップでは、1~11弾は1~11弾同士で戦うのだが、フリーマッチではそのような区分はない。従って、ホームレスさんのユーザー大会が実質的に唯一の競技環境、最新の環境を追い求める者たちの主な調整場となった。
当然我々も初日からユーザー大会には参加し、最強デッキを探す。当初使用候補に挙がっていたのは無謀ドラゴン・afNm・自傷V等。自分はゼル入りの原初Dで大会に参加していた。
◎ユーザー大会1回目(最強デッキの誕生)
初回のユーザー大会で多かったのはOOT自傷V、SFLディスカD(パチンコD)、ALT afNMだったように思う。筆者はというと勝ったり負けたりで微妙な手ごたえ。戦ってる感じは自傷Vによく負けたので、自傷Vは最後まで残りそうだなぁと感じていた。
そして大会も進み、残り40分となったころ、ホームレスさんからとあるデッキの情報が降ってくる。
筆者はシャドバをROBからやっているがプルソンの能力をあまり覚えていない。そのくらい影の薄いカードの印象だったが、使用している人の試合を見てみると、先手なら6t、後手なら5tに驚くほど安定してOTKできるデッキであることが判明した。当時は(今考えると)低速環境であり、プルソンのリーサルターンの速さは他デッキと一線を画すものであった。その強さの証明として、当時の使用者は20-1と大勝している。
ちなみに当時のリストはこんな感じ。5面展開からのプルソンでプルソン2体、昏き2体、ヴァッサゴが確定で出る。プルソン2枚と昏き1枚、ヴァッサゴがそろうと24点入る凶悪なデッキ。このころは階段は3枚確定だった。
その後、実際に自分で使ってみても破格の強さであり、間違いなく環境最強デッキであると確信した。また、ホームレスさんのユーザー大会で1~11弾環境は(結局あと2回実施することになったが)あと1回の予定で、もはや環境がこれ以上動くわけないとも思っていた。したがって、プルソンはなるべく広まらないように使用を控え、ほかの環境の調整に注力する方針にした。
◎ユーザー大会2回目(プルソンに勝てるデッキの台頭)
サーバー設立から3日目、調整メンバーが二人だけだとろくにルムマもできないため、追加でメンバーを募集することになった。プルソンを知らない人を募集してプルソンを広めるのはデメリットしかないと考え、募集する際のアンケートの一つに
「ユーザー大会初日で1位獲得者が使用し、大勝していたデッキは何か?」
と篩にかける質問を用意。この質問にプルソンと答えた人を優先的に採用することになった。(このへんはホームレスさんが全部やってくれたので詳しくは知らない。)
そして迎える1~11弾環境のユーザー大会2回目。この辺からすでにプルソンはかなり浸透しており、秘匿するのは無理そうだということに気づく。自分はプルソン以外に特に使いたいデッキもないが、まだプルソン知らない人もいるだろうし、わざわざ使うのもなんか違うなということで、主に上位者の試合の観戦をしていた。
ユーザー大会2回目の環境としては、プルソンはそれほど多くなく(2割くらい?)、アグロRや自傷V、ニュートラルV、人形Nm等が使われていたようだった。ユーザー大会の上位入賞者もプルソン以外でばらけた使用率となっていたが、この時点ではプルソンが弱いのか、プルソンを長時間使った人間が少ないのかの判別ができなかった(筆者のように、無闇に広めないようにあえて長時間使わなかったのかもと考えた)。
しかし、調整メンバーに話を聞くと、どうやら本当にプルソンの勝率が悪いらしい。にわかに信じがたいので、追加で開くことになった最後のユーザー大会までに上記の他デッキ群とルムマしてみることに。
結果からいうと、どのデッキにも勝率4~5割程度、ただし上手いafにはかなり不利がついてそうな印象を受けた。Vの仮面、Nmの虚数でOTKを阻止される(但し仮面はハンド次第で貫通できる)うえ、序盤の面展開を処理しきれないと押し切られてしまう。また、もとのリストでは天界への階段を3枚採用していたが、不意の熾天使の剣で即敗北となってしまうため、3枚採用はできないのでは?とも思い始めた。そうなってくると相手の面処理とプルソン前にアミュレット展開を両方行うハードルが少し上がり、なおさらこのデッキを使いたくないなぁという気持ちが日に日に強くなっていった。
◎最後のユーザー大会(最強デッキ、死す)
木曜日となり、調整時間も残すはあと二日。1~11弾環境最後のユーザー大会に臨む。あまり自信はなかったが、ニュートラルVがどのデッキにもそれなりに勝てたので、とりあえずニュートラルVでユーザー大会に参加することにした。
しばらく対戦して、今までと違い圧倒的にリノエルフが多いことに気づく。特に昔見られたような、フィーナやプリンセスメイジ進化からゲームを組み立てるものではなく、エフェメラ採用型が勝てているようだった。
当然プルソンには勝てるのか?という疑問が一番に湧いてくるのだが、このリノエルフは今までのリノエルフ=OTKという枠に収まらず、エフェメラを採用しアグロプランを見据えることで、プルソンにも勝てるデッキとなっていたようだった。
また、普通のOTKデッキは序盤が弱いことが多いが、リノエルフはメイや対空射撃で序盤も強く、さらには序盤からライフを削れるため虚数物体も貫通できる強さを有していた。従って、リノエルフこそが新たな環境最強デッキであり、環境の中心となると評価を改めることになった。そしてそれと同時に、プルソンは完全に息を引き取り、プルソン愛好家のホームレスさんですら見限る状態にまで評価が落ちていた。それを見て、筆者もプルソンを完全に見限った。
◎最終調整(Nウィッチの台頭)
ユーザー大会も終わり、あとはリノエルフの詳細を詰めるだけだと思っていた最終日、Nウィッチが強いという情報が入る。確かに守護が固くエルフに強そうなので、もう時間もないがルムマで検証することに。
検証した結果、後手だと確かに強い。通常ルールと違い+2ドローの恩恵があるため、後手の3t禁忌→4t豪傑→5tジンジャーの流れはどうしようもないことが多く、強さを感じた。一方で、先手は脆く、先手だとエルフ相手にも普通に負けたのと、こういう受け志向のデッキはあまり上手く使えた試しがないので筆者はこのデッキの使用は見送り、当初の予定通りエルフを持ち込むこととした。
※結果から言うと、当日はニュートラルウィッチが上位帯で多く、筆者も2回当たり、1-1だった(負けはこちらの先攻)。
話を戻して、エルフの調整だが、一から開発したわけでもなければ、自信があるわけでもないので、筆者のリストと調整意図を簡単に記す。
・テーマはアグロとOTKの二刀流
・アグロプランによる先5t早期決着を見据えてるので、エフェメラは3。プリンセスメイジとフィーナは0。
・序盤に大きいエンシェントエルフを立てられたら勝ちに直結するのでエンシェントエルフは3枚
・いたずらは相手のエフェメラ戻せるのが強い
・庭はアグロイにも強いから3枚(自信なし)
フェアリーサークルをワイズマーマンにしたり、色々変更の余地はありそうだったが、時間もないのでこれで提出。
◎結果
5-1で予選の準決勝敗退。
(エルフ4-2 ロイヤル6-0 ネメシス1-1)
もう少しで予選を突破できたので悔しいが、十分な結果だと思う。
1~11弾環境で言えば、今でもエルフかウィッチが正解だと思っているし、予選を突破したクラスもこの2クラスがほとんどだったようだ。ただ、もう一週間あれば、全く別の環境になったとしてもおかしくないと感じており、それくらい環境の変化に富んだ面白い・考えがいのある環境だったと思う。
なお、他の環境(12弾以降)に関しても、デッキの持ち込み理由等を上記のツイートのリプライで書いてるので、物好きな人は読んでみてほしい。
ちなみに、予選突破者のクラスは下記のような分布となった(Battle1が1~11弾環境)。
前述のようにEとWがほとんどで、プルソンVの使用者は0人( グループEのヴァンプはアグロV)であり、プルソン=先の時代の敗北者であることがきっちりと証明される結果となった。
以上のように、最終的には"敗北者"のレッテルを貼られてしまったプルソンだったが、それでも筆者はこの環境の締めくくりとして、こう述べたい。
「プルソンはこの環境を作ったデッキだった」
「この時代(1~11弾環境)の名前こそが"プルソン”だ」
と。
◎あとがき
(※ここから文体変えます)
長々と書きましたが、調整期間が短く、特殊なフォーマットであるため、普段シャドバをしてない社会人が頑張るにはもってこいの大会だったように思います。
次があれば、老兵のみなさんも一緒にやりましょう。これが一番伝えたかった一文です。僕は最高に楽しめました。
あと、一緒に調整してくれた方たちも本当にありがとうございました。
では、またどこかで。
◎おまけ
なんとマイローテの父であるホームレスさんがGFに残っています。
6/25(日) 19時~配信があります!みんな見ましょう!
→GF大会の結果は・・・
kiiさん優勝&ホームレスさん準優勝おめでとうございます!
実はkiiさんとも壁打ちを少しだけやってたので(本文中の上手いaf=kiiさんのaf)、こちらも大変喜ばしい。
個人的には、kiiさんのエルフのリストが、かなり強そうだなあと思いました。
本当におしまい。またオフラインrageで会いましょう。