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騎士団長殺し|村上 春樹


第1部 顕れるイデア編(上)

プロローグ

1 もし表面が曇っているようであれば

2 みんな月に行ってしまうかもしれない

3 ただの物理的な反射に過ぎない

4 遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える

5 息もこときれ、手足も冷たい

6 今のところは顔のない依頼人です

7 良くも悪くも覚えやすい名前

8 かたちを変えた祝福

9 お互いのかけらを交換し合う

10 僕らは高く繁った緑の草をかき分けて

11 月光がそこにあるすべてをきれいに照らしていた

12 あの名もなき郵便配達夫のように

13 それは今のところただの仮説に過ぎません

14 しかしここまで奇妙な出来事は初めてだ

15これはただの始まりに過ぎない

第1部 顕れるイデア編(下)

16 比較的良い一日

17 どうしてそんな大事なことを見逃していたのか

18 好奇心が殺すのは猫だけじゃない

19 私の後ろに何か見える?

20 存在と非存在が混じり合っていく瞬間

21 小さくはあるが、切ればちゃんと血が出る

22 招待はまだちゃんと生きています

23 みんなほんとにこの世界にいるんだよ

24 純粋な第一次情報を収集しているだけ

25 真実がどれほど深い孤独を人にもたらすもの

26 これ以上の構図はありえない

27 姿かたちはありありと覚えていながら

28 フランツ·カフカは坂道を愛していた

29 そこに含まれているかもしれない不自然な要素

30 そういうのにはたぶんかなりの個人差がある

31 あるいはそれは完璧すぎたのかもしれない

32 彼の専門的技能は大いに重宝された

第2部 遷ろうメタファー編(上)

33 目に見えないものと同じくらい、目に見えるものが好きだ

34 そういえば最近、空気圧を測ったことがなかった

35 あの場所はそのままにしておく方がよかった

36 試合のルールについてぜんぜん語り合わないこと

37 どんなものごとにも明るい側面がある

38 あれではとてもイルカにはなれない

39 特定の目的を持って作られた、偽装された容れ物

40 その顔に見違えようはなかった

41 私が振り返らないときにだけ

42 床に落として割れたら、それは卵だ

43 それがただの夢として終わってしまうわけはない

44 人がその人であることの特徴みたいなもの

45 何かが起ころうとしている

46 高い強固な壁は人を無力にします

47 今日は金曜日だったかな?

48 スペイン人たちはアイルランドの沖合を航海する方法を知らず

第2部 遷ろうメタファー編(下)

49 それと同じ数だけの死が満ちている

50 それは犠牲と試練を要求する

51 今が時だ

52 オレンジ色のとんがり帽をかぶった男

53 火掻き棒だったかもしれない

54 永遠というのはとても長い時間だ

55それは明らかに原理に反したことだ

56 埋めなくてはならない空白がいくつかありそうです

57 私がいつかはやらなくてはならないこと

58 火星の美しい運河の話を聞いているみたいだ

59 死が二人を分かつまでは

60 もしその人物がかなり長い手を持っていれば

61 勇気のある賢い女の子にならなくてはならない

62 それは深い迷路のような趣を帯びてくる

63 でもそれはあなたが考えているようなことじゃない

64 恩寵のひとつのかたちとして


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