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社会的企業の実例(英国編その3)
社会的企業の実例として、アメリカと英国の実例を紹介してきましたが、英国編ではサッカークラブの話ばかりになったので、もう一つ、実例を紹介します。もちろん、英国の社会的企業は、サッカークラブ以外にも沢山あります(笑)。
こういう例があります。
(綺麗な街ですね。)
http://www.bewdleytowncouncil.org/community/bewdley-town-council-12549/visiting-and-events/
これについては、拙著「社会的企業の法」の中でも紹介しています。
ビュードリーという小さな商業地区とその近隣教区は、2,000年頃の洪水で手足口病が流行するなど街の荒廃が進みました。街は、洪水対策として堤防施設の更新、強化をする必要がありましたが、観光がダメージを受けていた事により経済的にひどく困窮していました。
そこで、地元の人たちや商業組織と連携して、マーケット・タウン・イニシアティブというプログラムを進めることとしたのです。そのプログラムには、新たなスケート公園の設置、コミュニティ・フェア、遺跡巡りなどのイベントの開催、新たなバスの退避所の建設などを含むものでしたが、合計で百万ポンドが投資されました。
2006年に、プログラムは終了しましたが、関連のコミュニティ・ミーティングを残すこととし、街の改良作業を継続するために、ビュードリー・デベロップメント・トラストCIC(コミュニティ・インタレスト・カンパニー)という社会的企業が誕生しました。
このCICは、起業家的に収入を生み出しただけでなく、CICの仕組みであるアセット・ロックという資産固定を有することで、コミュニティへの説明責任を維持しながら、自由に活動することができるようになりました。
事業としては、コミュニティ・ビルディングの所有と管理に重点を置いており、同時に、グリーン・エネルギー・プロジェクトも進めています。将来的には、地元でもっと多くの食料、インフラ、エネルギーを生産することに熱を入れる予定だそうです。
地域の活性化は、社会的企業がありさえすればうまく行くというようなものではないでしょうし、地域によってはより事情が深刻な場合もあるでしょうが、地域の活性化、地元利益の確保と商業的な成功を同時に目指すという社会的企業という器は、日本でももっと注目されて良いでしょう。