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悲しき怪獣、ガヴァドン
子どもが、おもちゃ売り場でソフトフィギュアを欲しがりました。あまりに高価なものなら諦めてもらいますが、なんと値下げシールが貼られているではありませんか!
ならば、と購入したものの、名前も分からない見たこともない白のフィギュア…。なにかのキャラクターとは分かりますが、購入した当初は「まぁ安かったしいいか」くらいに考えていました。
数日経ったある日。子どもと買い出しに行くとき、そのフィギュアを車に持ち込んでいました。
久しぶりに存在を思い出したわたしは、ふと検索してみようと思い、インターネットの力を借りてあぶり出し。以下、そのフィギュアに関する説明のページです。
ウルトラマンにて登場する、ガヴァドンという怪獣。しかしこの怪獣、子どもの落書きから産まれた、悲しき怪獣でした。
研究所のそばにある土管に描かれたこの怪獣は、宇宙線と太陽線を浴びて実体化します。しかし、ひたすらに眠るだけの本当に無害な怪獣でした。
眠るだけと言っても、とてつもなく巨大な身体に加え、"いびき"が強敵。もちろん標的対象となりますが、光線さえなくなれば再び絵に戻るため、夕方にはまた絵になります。
しかし、その落書きを強そうな見た目に変えるべく、描き足してしまう子どもが登場します。そして産まれたのが、ガヴァドンBです。
Aの見た目とは裏腹に、強そうな目と鋭い突起のついた身体が特徴のBですが、A同様にひたすらに寝るだけです。そしてそのいびきがうるさすぎることも、変わりません。
ついには「ガヴァドンを倒さないで!」という声まであがります。いびきがうるさすぎて、日本経済が回らないという影響だけですから、とても悪者には見えません。(大人からするとかなりの悪者な気もします)
ウルトラマンはガヴァドンを宇宙空間へ運び、星のひとつにしてあげたのでしたーーーーーーー
というのが、ガヴァドンの大まかな説明でした。私はこれを読み、なんて悲しき怪獣なんだろうか…と危うく涙するところでした。
我が家にひょんな事からやって来た、ガヴァドンAのフィギュア。この白い生き物を見るたびに、遠い空で元気にやっていると良いなと思います。
「悲しき怪獣、ガヴァドン。」