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使い手と一緒に紡ぎ出すものづくり

目の前にある木から何が作れるかを考える

こんばんは、もくたん工房のばしょあゆみです。

つい先日、ショップカード兼名刺を更新する機会があり、今までのデザインを一新しました。今までは、作った作品の写真をいくつか載せていたのですが、写真をすべて削除し、代わりに手書きのイラストを一つ載せました。

目の前にある木から何を作れるか考える

もくたん工房のものづくりは決まった形がありません。 何になるかは、木に委ねたいと思って、向き合っています。 なるべく大きな塊からは大きな作品を作りたいし、小さな塊も活かせる何かしらの形を見出したい。木が答えてくれる気がするときもあるし、そうでないときもあるけれど、それを見出す努力を積み重ねていくことが大切な、本当の何かに繋がると信じて、日々制作に取り組んでいます。

木の形・大きさから作るものを見出す
(これが難しい・・・)

使い手と一緒に形を紡ぎ出す

形は木に委ねる一方で、もう1つ大切にしていることがあります。それは、使い手と一緒に形を紡ぎだす事。
良い作品を生み出して世に送り出すことも、もちろん大切ですが、時折ふわっといただいたご依頼に対して、こんな形でどうでしょうかと提案をし、イメージ・制作の過程をも共有する。こうしてお互いの糸を紡ぐように、形にしてお届けする事が、小さな工房かつ木彫りだからこそ可能なのではないかと思うようになりました。
例えば今までいただいたご依頼にはこんなものがありました。

「捨てられる梅の木でコップを作れますか」
「木の歯ブラシを作れませんか」
「今使っている木べらが握り心地がいいので同じ感じで作って欲しい」
「干支の置物作れますか」
などなど。

これらすべて、ご依頼がなければ自分で作ろうとも思わなかったものです。
こうした経験を通じて感じたことは、何か素晴らしいものを作って何かを成し遂げようとする事は私にとってはさほど重要ではなくて、人の想いに寄り添う物を形にしてお届けする、つまり、使い手と一緒に形を紡ぎ出す事が何よりも尊いと感じている事、それが私という作家の強みだと思っています。

木の歯ブラシ(試作品)。
もう虫歯になることがないようにという歯科医師さんの想いが患者様に届きますようにと
願いを込めて、木言葉を添えてお作りしました。
手の大きさに合った木ベラと蜂蜜スプーン。
握り手の太さは先代のヘラのサイズを教えていただき作成しました。スプーンは蜂蜜をたっぷり掬えるように、匙部分を深めにしています。

私自身は、彫る事に没頭できる時間が何よりも幸せで、それ以上望むべくもないですが、ご依頼を受けてお作りした物が、お手元に届いて、日々の暮らしにそっと寄り添えたり、小さなストレスが解消されたならば、これ以上の喜びはありません。

小さな工房だからできること

もくたん工房は、自宅リビングの一室、4畳半の空間を作業部屋としています。小さな作業場ゆえ、大きな電動工具は置けません。でも小さいからこそ、一つ一つの木、作品、そして一人一人のお客様に丁寧に向き合うことができる、これがもう一つの強みでもあります。
また、私自身、小学生の子供を育てる母親であり、日々の暮らしや家族との時間を大切にすることがベースにあって、制作時間も限られています。たくさんは作れないけれど、だからこそ、一つ一つ、心を込めたものづくりを心掛けています。
 
「左利きに使いやすい木べらが欲しい」
「針がたくさん刺さる針山が欲しい」
「果物がおいしく見える皿が欲しい」
「こんなものを木彫りで作れないだろうか」

色んなご相談、お寄せいただければ幸いです。
                
今回は、どんな風に作品を生み出していくか、そのプロセスについてお話しました、いかがでしたでしょうか。
次回は、作品観とそのルーツ、作れるもの・作れないものについてお話したいと思います。最後まで目を通して下さり、ありがとうございました。

作業部屋の風景

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