J:COM Netコースの選び方(#1 J:COMを契約しない方がいい人編)
3月。引っ越しの季節になりました。
引っ越しとなるとやはり悩ましいのがインターネットをどうするか問題です。最近はインターネット無料物件も増えており、物件探しの際の大切なポイントの1つになっていると思います。
そんなインターネット無料の中でも、よく名前が出てくるケーブルテレビ大手のJ:COMがありますが、インターネットではあまり具体的な話が見つからないので判断に困っている方も多いかと思います。
そこで今回は、J:COMの各コースである120Mコース・320Mコース・1GコースとJ:COM契約をオススメしない人の4パターンに分けて、チェックポイントと向き不向きを独断と偏見でまとめてみたいと思います。
※なお素人の意見なので、偏り・内容のある程度の不備についてはご容赦下さい。
1. そもそもJ:COM Netのおはなし (忙しい人は飛ばしてOK)
冒頭でも書いた通り、J:COMというのはケーブルテレビ(CATV)の大手事業者ですが、同時にインターネット回線の事業者としても有名です。
ですがインターネットで検索すると、遅いだの不安定だの、比較的ネガティブなコメントばかりが出ており、具体的に回線がどんな感じなのか?とか本当に使えないレベルなのか?といった情報があまり出ておらず、調べている側としてはモヤモヤすることが多いと思います。
それについては、半年ほど前に書いた『J:COMのネットは遅い・・・とは限らない』という記事にも書いたとおり、「契約によっては遅くないですよ」というのが私の結論でした。ですが、その記事の中では「結局契約していいの?ダメなの?どっちなの?」という点にあまり触れていませんでした。
そこで今回はそのあたりに切り込んでいこう!という内容なのですが、実は私、前回の記事を書いていた際に契約していた1Gコースから、なんやかんやを経て、現在320Mコースを契約しています。つまりこの8ヶ月あまりの間に120Mコース・320Mコース・1Gコースのすべてを制覇してしまいました。(私の入居している物件としてはこれが全コース)
せっかく3コース制覇したのであれば、それぞれの使用感について取り上げてしまおう!
という事で、今回の紹介に至った訳です。
因みに何故そうなったかの経緯については、それだけで記事1本書けるくらいのボリュームなので後日触れたいと思います。
2. J:COM回線が向いていない人
普通こういった紹介の場合、120Mコースから順番に書くものだと思いますが、あえて先に、向いていない人について触れます。というのもこういったマニアックな記事を読む人の多くは、J:COM回線が不向きである可能性が高いからです。(※大いなる偏見に基づく判断)
では、どういった使い方をしている人が向いていないか。懸念点を挙げていきながら、説明していきたいと思います。
なお、コース別の記事を読みたい場合は次記事をご参照下さい。
2-1. 速度
実は下り速度については、1Gコースと320Mコースであれば、フレッツなどの光回線(1Gbpsプラン)と比べても、それ程遜色はありません。前回の記事でも紹介したとおり、1Gコースであれば250Mbps~550Mbps程度、320Mコースでも150Mbps~250Mbps程度はコンスタントに出ますので、充分速いです。
ただ上り速度については、J:COMの仕組み上の問題らしく、あまり速度が出せないそうで、1Gコースで90Mbps程度、320Mコースと120Mコースでは9Mbps程度が上限となっています。(※私の実測に基づく)
フレッツの場合、条件が良ければ150Mbpsくらいは出ますので、ちょっと物足りない気持ちはありますが、1Gコースの90Mbpsもあれば充分だとは思います。
よって、フレッツ並みの速度が上りも下りも必要な場合は、1Gコースが必須。上りで100Mbps以上欲しかったり、下りも500Mbps超欲しいという方は、J:COMでは力不足となります。
2-2. 安定性
一方、安定性に関しては非常に憂慮すべき点があります。
J:COMは仕組み上、テレビのアンテナ線を使って通信をしているのですが、この回線はどうもインターネット通信にはそれほど適していないようで、いわゆるノイズによる通信障害が発生しやすい構造になっているようです。
私の場合、不運にも通信障害が重度であり、30分程度の通信断絶が週に数回発生しそれが丸2ヶ月続いた為、エンジニアさんとサポートセンタと相談した結果、1Gコースから320Mコースに契約を落とすことになりました。
契約変更後は通信断絶はなくなったので支障はないのですが、このように1Gコースは120Mや320Mコースと仕組みが異なるが故、1Gコースに特化した不具合が発生するケースがあるようです。(理由については、契約変更の経緯と併せて別記事で紹介予定)
本来ならば「そういった不具合はほとんど発生しないので、気にしなくていい」と言いたいところですが、実は、私のケースは通信障害情報に載っていません。(想像ですが、エリア限定かつ継続的ではない為、掲載の規定外なのでしょう)
にも拘わらず、J:COMの通信障害情報を見ると多数の記載があることから、実際には更に多くの障害が大小発生している可能性が高く、遭遇する可能性は『ほとんどない』よりは上だと考えておいた方が良いでしょう。
よって1Gコースが必須の使い方をするような方 ―― 例えば、上り90Mbpsが毎日コンスタントに出る必要があったり、インターネットに繋がらない時間帯が少しでも発生すると仕事や趣味に支障が出る方(会社スマホが支給されておらず、会議をオフロードするなど代替手段がない方・毎日オンラインゲームやらないと死んじゃう方・配信者など)は、どの程度許容するかにも因りますが、避けた方が良さそうです。
なお120M・320Mコースだとしても、通信障害自体は発生する可能性がありますが、後述の通り、比較的ライトユーザの方が多いと思いますし、仮にヘビーユーザだとしても複数回線を持っている可能性があるので、そこまで影響はないのかなと思います。
2-3. アップロードするファイルが大きい
アップロードファイルの量が多く、サイズも大きい方はJ:COMを避けた方がいいです。
詳しくは後日書きますが、NASのバックアップをクラウドにしている私としては、大きめのファイルを更新した場合、9Mbpsだと真夜中の数時間(通信混雑を避ける為)だと送信が全然終わらず、何日にも亘ってアップロードを続ける必要がありました。
なお、J:COMは30GB/日の送信を複数日続けると、内容証明郵便による警告と速度制限を受ける事になりますので、少しずつ時間を掛ければいいやと思っていると足を掬われます。ご注意下さい。
「自分はアップロードをそんなにしないし大丈夫」と思っているそんなあなた。実は、テレワークをされる方はチャットでファイルを送信していますし、ビデオ会議では動画を送信していますし、共有サーバやクラウドサービスに業務ファイルを保存する事も立派なアップロードです。また、iCloudに写真や動画を同期する事も立派なアップロードです。
そんな感じで、現代においては意外とアップロードの機会が多い事を自覚した上で、よく普段の使い方を振り返ってから検討する事をオススメします。
2-4. サーバ公開・外部接続
前回記事にも書いたとおり、J:COMはポート開放が出来ません。正しくは出来る場合もありますが、設置されるルータ次第のガチャなので、出来ないと考えるのが無難です。
Tailscaleなど特殊なVPNを使うなどする以外、直接の通信は不可となるなど制約事項が多いので、リモートアクセスをしたい方はまず間違いなくオススメしません。
また、以前この話を回線工事に来たエンジニアさんにポロッと零したら苦笑いされたので、J:COMとしてはそういった通信はそもそもやって欲しくないようです。
2-5. スマートスピーカやスマートディスプレイ、スマート家電を多用している
ネットに繋がらないスマートスピーカは、機能がまったく使えなくなります。使いたいタイミングで使えないのは地味にイラッとします。それだけでなく、大きな声で通信エラーだと主張し始めるのでうるさいです。
スマホなどと違いオフロードしようがないので、通信が復活するまでただただ待つしかないのが、地味に辛いです。(オフロード用にSIMの刺さるホームルータやLANポート付モバイルルータを自宅ルータのWANポートに挿すという裏ワザもありますが、ある程度知識が必要です)
自宅にいる場合はまだいいですが、家の外から家電を操作したい場合、通信障害中であればリモート操作はもちろん出来ません。ごはんが炊けない、ペットカメラが使えない、エアコンが使えない(or 切れない)など、そういったリスクを想定しておく必要がありそうです。
3. まとめ (契約しない方がいい人編)
以上、ここまでまとめて来たとおり、通信量が多い方や頻度が多い方かつ高い通信品質を求める方、外部からの通信が必要な方には、まずJ:COMはオススメしません。
もしそういった方で、J:COM必須物件に住まなければいけない場合は、テザリングやモバイルルータなどオフロード出来る手段を用意する事を強くオススメします。
因みに物件をお探し中の方は、J:COM敷設物件で『フレッツ対応』の文字がない場合は、フレッツ『導入実績』があるかどうか、契約前に確認する事を強くオススメします。実績がない場合で「自前で依頼して工事していいですよ」と不動産屋に言われたとしても、オススメはしません。(この言葉を信じてトラブルに巻き込まれ、結局フレッツ導入を諦めた経緯があります)
以上ここまで、向いていない人はどんな使い方かについて触れてきましたが、次回以降では、逆にJ:COMを契約したい人がどのプランを選べばいいかの判断材料について、触れていきたいと思います。
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