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世界最大の火山、再び覚醒?
先日から、米国地質調査所(USGS)やハワイ火山観測所 (HVO)の動きがあわただしくなっています。
それもそのはず、1984年以来、38年ぶりに大噴火を起こしている火山があるのです。
それは、ハワイ諸島最大の島、ハワイ島にあるマウナロア火山(4,169m)。
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噴火に関する記事はこちら。
現地語で「長い山」を意味するハワイ島最大の山で、山頂には巨大なカルデラがあります。
日本の国立天文台が設置している「すばる望遠鏡」
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があるのは、お隣のマウナケア火山(4,205m)。
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ちなみに、標高だけで言えばアフリカ大陸のキリマンジャロ(5,885m)の方が高いのですが、この火山にはキリマンジャロにない特徴が。
それは「山体の体積」。
マウナロアは楯状火山。
そのため、山体が巨大で、その体積は75,000㎦と言われています。これは世界最大です。
日本の象徴である富士山の体積が1,400㎦ですので、体積比50倍ということに。その巨大さが際立ちます。
有名なお隣、マウナケアも32,000㎢ですので、とてつもない大きさ。
ところで、マウナロアの火山噴火を見ると、非常に粘土の低い溶岩が流れ出していることがわかります。
この粘土の低い溶岩がなぜ噴出しているのかというと、地理の定番、「ホットスポット」由来だからです。
ホットスポットは、マントル内の上昇流が、プレートを突き抜けて地表に表れたものです。
ハワイ諸島はその典型例で、プレートの移動方向に沿って、かつてホットスポットで形成された島々が点在しています(ハワイ諸島と天皇海山列)。
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これは、ホットスポットの場所は動かないがプレートは移動しているため、噴出場所がプレート上で少しずつずれているから。
今のハワイ島も、100万年後には火山活動が終わると考えられています。
ちなみに、上記の写真を見ると、火山列が途中で湾曲していることから、途中でプレートの移動方向が変わったことも推測できます。
名前が知られているなホットスポットは、ハワイ島以外に
・イエローストーン
・オリトンジャワ海台(地球史上最大の火山噴火を起こした)
・アフリカ大地溝帯
・アイスランド
などがありますが、他にも
ガラパゴス諸島、イースター島、レユニオン島、サントメ・プリンシペ、カナリア諸島など、島が唐突に点在する場所はホットスポットというケースがあります。
この、マントルプルームに由来する噴火の場合は、粘土の低い玄武岩質の溶岩が噴出する傾向があり、アイスランドの噴火でもマウナロアの噴火と同じような傾向が見られます。
マウナロアでも、このような粘土の低い溶岩が流れ下り、被害を及ぼすことが懸念されているのです。
ついでにですが、ハワイ島はマウナロアを含む5つの楯状火山で構成されていて、最も活動が活発なのはキラウエア。
そしてマウナロアの一部を含むのがハワイ火山国立公園になっています。
天文台があるマウナケアはハワイ島で最も高い火山(4,205m)ですが、4,500年前に噴火して以降噴火をしておらず、今後噴火する可能性は低いと考えられています(休火山に分類)。
まあ、活火山に天文台を設置するのは恐ろしすぎますね…。
なお、マウナロアは太平洋の海底から立ち上がっている火山でもあり、海底から数えると10,203mもの高さがあります。
しかし実はもう1つ、マウナロアはそのとてつもない量の溶岩により、プレートにめり込んでいるのだそう。
そのめり込んだ長さは8,000m近くにもおよび、これを海底からの標高に足すとその高さは17,000m弱という恐るべき数字になります。
もちろん世界最大、最高峰の山になります。
図にするとこんな感じでしょうか。
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というわけで、ハワイ島に関する火山のお話でした。
地理の必修事項も含みますので、それらを踏まえて、なかなか見られない地理的事象を注視していきましょう。
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