ミルのコレクション、もう少し公開!(オールド・ザッセンの世界②)
前回の記事
からずいぶん間が空いてしまいました💦
さて、今回は前回記事で予告した通り、Zassenhaus(ザッセンハウス)のちょっと変わり種のミルをご紹介します。
1、Zassenhaus 175M
変わり種…というのは、その使い方。
コーヒーミルのメーカーが乱立した、全盛期ともいえる1950年代(ドイツだけで10社ほどのメーカーがありました)、いわゆる「モバイル」用途のミルが各メーカーで作られました。
その元祖とも言われるのが、Zassenhaus「175M」
と呼ばれるモデルです。
全体が金属製、細長い筒状になっています。
また、ハンドルも取り外しが可能。中には取り外したハンドルを折りたたむことでさらに携帯性を向上させたものもあります。
メーカーや年式によって金属の材質は様々。銅や真鍮、時代が進むとステンレス製のモデルも存在します。
また、表面にそれぞれ個性的な模様を彫っているのもこのシリーズの特徴。模様もちょっとエキゾチックな印象で、雰囲気として中東やアフリカを意識しているのかな?とも感じます。
一度に挽ける量…というより、刃が小さいので挽くスピードがやはり遅いのですが、刃はやはりZassenhaus。
その挽き味に一切妥協はありません。
キャンプで、そんなミルをサッと取り出してコーヒーを挽いたら最高に絵になると思いませんか?(笑)
もちろん格好だけではなく、間違いなく味も格別。
以前の記事でも触れましたが、「豆は淹れる直前に挽く」。これは美味しいコーヒーを飲む上で、そうしていただきたいことNo,1です。
2、私の所有する175Mなど
私はいくつか、このタイプのミルを所有しています。
全てオールドザッセン(1950年代位のモデル)か、それに近い年式の別メーカーのものです。
まずは定番の175M。
模様は違いますが、底面に獅子をデザインしたロゴ
もあり、スタンダードな175Mです。
続いて、ドイツのメーカーではZassenhausと双璧ともいえるPeDe Dienes(ペーターディーネス)のミル。
略号として「PeDe」と表記されることも多いです。
後にZassenhausに吸収合併されますが、ドイツを代表するメーカーです。
さらに、同じドイツ系のミルですが、こちらはちょっと謎。時折名前を見かけるメーカーです。
出来は良いですし、ハンドルを折りたためるのも面白い。
材質は銅だと思います。
もっと謎なのが(笑)このミル。
感じからすると、旧東側のものではないかな?と思うのですが…。
材質はおそらくステンレス。形も変わっています。
挽き味は、やはりZassenhausやPeDeはさすが!といった印象です。
3、祝・復刻再販!
私がご紹介したのはオールドザッセンばかりなので、いや、こんなの手に入らないじゃん!と思った皆さん…朗報です!
実は、復活したZassenhausが、175Mを2008年頃から復刻・再販しています。
モデル名は「ハバナ」。
(なぜかカード化できないので、リンクをはります)
Amazon販売ページ
材質は真鍮のみになっていますが、表面の模様も健在。
模様の彫り方のメリハリは、復刻版の方が強い気がします。
復刻版の常としてオールドザッセンには及びませんが、挽き味もなかなか良いです。
(個人的には、程度の良いオールドザッセンの入手がおすすめですが、最近は数も減ってしまい…)
なお、今はザッセンハウスの「リマ」という同じく携帯版のモデルが販売されています。
見た目は現代的でおしゃれなのですが、私はZassenhausの伝統的な製法の血が強い「ハバナ」を強くお勧めします。
あくまで個人的な印象ですが、リマの挽き味はZassenhausのそれとはちょっと違っていて…。
Zassenhaus「ハバナ」、アウトドアでコーヒーを飲もう!という方にお勧めします!
ちなみに、オールドザッセンを探すならやはりきちんとメンテナンスまでケアしてくれるお店が良いです。
構造もシンプル、頑丈で壊れる要素は少ないとはいえ、やはり定期的なケアは必要。
お勧めは前回も取り上げた
こちらのお店。
オーバーホールまでできるのはやはり魅力です。
4、おまけ
というわけで、アウトドアで使う…となると、定番は175M(ハバナ)ですが、さらに変わり種としてこんなものも。
ある意味究極のアウトドアと言えるのが「軍」です。
時には故郷から遠く離れた場所で、部隊で野営しなくてはならない。そんな時、仲間たちとせめて美味しいコーヒーを飲みたい!と考えて(多分)作られたものがあります。
イタリア製、軍用コーヒーミル。
いかにも!といういかつい箱。大きいです。
中にはこんなものが
入っています。この圧倒的な機械感。
実際に使う際には
こんな感じ。
この大きさを生かして、10人分くらいの豆を一気に挽くことができます。
挽き味も、ドイツ製ミルのような細やかさはないものの、決して悪くありません。
全体はスチール製、黒単色でものすごく武骨。
従来のイタリア製品のイメージとは違う、頑丈さと実用性のみに特化した「用の美」すら感じる面白い品です。
とても冷静に考えると、いや、野営で香りが強いコーヒーを楽しむってどうなんだ??という突っ込みがあるのですが、まあそこは戦場にも癒しは必要だし、イタリア軍だし…などと妙に納得しています(笑)
次回は、少しZassenhaus以外のメーカーにも触れてみようかな…と思っています。
PedeやSpongなどはまだほとんど触れていなかったような。
プジョーも定番なのですが、実は私はプジョーは集めていなかったので層が薄い…。ひとまずはドイツ推しでいきます!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!