organize my thoughts
ホームスティの後、私は10歳年上のメアリー(仮名)とアパートでシェアを始めた。ワンルームで、私は出窓スペースにカーテンを引いてベッドを置き、彼女はピアノの後ろにベッドを置いてのシェアだった。今思うとプライバシーのかけらもない空間でよく半年も過ごしたものだ。
メアリーはカナダ人だが、故郷は近くの小さな島だ。理髪師として近くのお店で働いており、社交的で明るく、私の友達がバスの中で財布を盗まれたというと本気で怒ってくれ、同情してくれる、いい人だった。
彼女との思い出はかなりあるが、強烈だったのは、生のニンニクを飲まされたことだった。メアリーはニンニクが大好きで、身体にいいのよ!と常日頃から言っていた。
ある時、私が風邪を引いたあと咳が止まらなくなり、夜中にゴホゴホやっていた。止めようとしても止まらず、布団をかぶって咳き込んでいたら、メアリーが「風邪にはニンニクよ!」と言って冷蔵庫からニンニクを取り出し、1、2かけら刻み、スプーンですくうと、怖い顔で飲め!と迫ってきた。
正直生のニンニクを飲むのは勘弁して欲しかったが、彼女の気迫に押されて私は水でニンニクのかけらを飲み込んだ。
次の日、咳が少し治った。
生のニンニクが効いたのだろうか?ニンニクはやっぱり身体にいいんだと思いつつ、自分の身体中から発せられる強烈なニンニク臭が消えるまでしばらく時間がかかった。