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番外編②:一度沼を脱出したオタクが鬱を経て再度沼に落ちるまでの話。

これは小学生で二次オタになった少女が大人になって一度脱出した沼に再度落ちるまでの物語です。

第二章 少女、原作漫画を買う。

~あらすじ~
 小学5年生で初めてバトルアニメを見たモコ少女。謎の背徳感と恥ずかしさから親に見たいと言えないのであった。

 私はその後も毎週偶然を装ってチャンネルを替えてアニメを見るようになります。母はおそらく私がちょっと楽しみにしている事に気づいていたのでしょう。テレビを消さなくなりました。

 私はその頃やっとこの作品が、噂に聞く週刊少年ジャンプの作品だと知るのです。そうです。私を二次オタに引きずり込んだきっかけの作品は「BLEACH」でした。(当時も今も私はルキアが好きです。)

 次の問題は父でした。別に父に止められていたわけではありませんでしたが、少年誌の作品を見ている事をなんとなく知られたくなかったのです。
 父の帰宅の瞬間にテレビを消して隠ぺいしていたのですが……
 ある日、車の音を聞き逃してしまったのです。

 父はテレビをつけっぱなしにしているだけだと思ったのかチャンネルを替えました。
 「ちょっと~、モコちゃんが見てたでしょ!」
そういったのは母でした。父は少し戸惑いながらもチャンネルをもとに戻しました。
 私は、母が私側についてくれたことに驚きと嬉しさを感じました。

 私がBLEACHが好きという真実が判明したことにより、少年漫画作品のアニメ視聴が解禁されるのでした。


 時は流れ、小学6年生になった私は水泳を再開します。これにより、BLEACHの続きが見れなくなってしまいました。(当時の我が家に録画機能はありません)
 兄がいる友人にその話をすると、原作漫画を買ったら?と提案されます。

 漫画を買う……?

 一年前まで漫画の存在も知らなかった私は、友人に連れられツタヤの漫画コーナーに向かいました。初めて立ち入る漫画コーナーは綺麗なイラストが端から端まで並び、文学コーナーとは異なる雰囲気の場所でした。私は長くその場にいる事が恥ずかしく、すぐに単行本を一冊手に取るとその場を離れました。
 初めて買った漫画を抱えて見つからないようにブックカバーをして教科書の棚に並べました。あのオシャレな表紙にブックカバーしていたの申し訳ないです。

 5巻ほど集めたあたりで、このまま隠し続ける事は難しいと悟ります。ブックカバーのかかった単行本が並べはどう見てもおかしいのです。
 そんな私が堂々と漫画を並べるきっかけをくれたのは弟でした。

「どうして隠す必要があるの?」

 自分の貯めたお小遣いで本を買った。それだけの事。堂々と並べればいいんだよ。弟はそう言って自分が買った本を棚に並べました。
 隠さなくても良いという考えに初めて触れた瞬間でした。

 私は勇気を出してブックカバーを全て外しました。親は特に何も言いませんでした。私が勝手に怒られると思っていただけだったのだと、初めて感じたのです。

 ちまちまお小遣いで漫画を買っていたある日。父は漫画を集めるなら……とブックオフに連れていってくれました。私はこんな場所が存在するのかと驚愕しました。新品にこだわりがない私にとって、安価で物語の先が読める事ほど嬉しいことはありませんでした。
 後に知るのですが、実は父親は音楽オタでCDやレコードのコレクターでした。ジャンルは違えど、同じオタとしてサポートしてくれたのでしょう……

こうして私は漫画を買うという第一歩を踏み出したのでした。


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