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番外編⑨:一度沼から脱出したオタクが鬱を経て再度沼に落ちるまでの話。

これは小学生で二次オタになった少女が大人になって一度脱出した沼に再度落ちるまでの物語です。
※ここでの沼は二次元コンテンツ全般を指しています。

第九章 鬱寸前オタ、アイドルに助けられる。

~あらすじ~
 鬱寸前で趣味探しを始めた社会人。ベースを買ったら吹っ切れて、二次オタ沼に再度足をとられる。

 自分の推し方・オタ活を肯定して戻ってきたオタク沼。しかし、これで万事解決ではありませんでした。
 鬱寸前社会人から鬱寸前オタクになっただけなのですから。(むしろ悪化しているのでは?)

 そんな限界ギリギリの生活が続いている中、鬱脱出のきっかけと出会います。
 いつも通り帰宅後、夕食の準備をしながらゲーム実況を垂れ流していた時でした。突然、インパクトのある音楽が流れてきたのです。私は手を止めて振り返りました。それはアプリゲームの広告でした。

 「進め! 決して決して立ち止まらずに 闇を裂いて 
  強い強い 光を放つ 彗星のように」

 このフレーズを聞けば察しがつくオタクもいるでしょう。そうです。あんスタの流星隊の楽曲です。
 私も二次オタの端くれ。いくらアプリゲームをしないとは言え、あんスタの名ぐらいは知っています。
 さっそく私は出勤の車で彼等の曲を聴くようになりました。勇気をくれるフレーズと音楽に励まされました。

 私にとって幸福だったのは、流星隊をゲームのキャラクターとして知ったのではなく、一つの「アイドルグループ」として知れた事だと思っています。5人は間違いなく当時の私を助けてくれたヒーローでした。(今では箱推しでCD飾ってます)

 人気コンテンツに手を出す事は勇気がいります。特にこの界隈はファン層も厚くゲーム、楽曲、ライブと、活動範囲が凄まじく広い事も知っていました。以前の私だったら絶対に手を出していなかったと思います。

 ただ今の自分は、続くか分からないけどせっかくだから手を出してみよう、という気持ちが勝りました。
 自分の推し方、オタ活をする!と決意し戻ってきて、初めて推すコンテンツ。今のところ自分のペースは守れています。

 こうして私は鬱からの生還を遂げオタ活を続けていく事になりました。

 オタクって難しいですね。私は今でもそう思います。
 人に言える趣味でなかった「二次オタ」も、今では珍しい趣味ではありません。インターネットの普及でSNSで簡単に意見を共有できて、自慢も自分の推し方もオープンに発信できます。

 便利になったと同時に、簡単に相手の推し方を否定して、相手の推しを批判できるようになりました。
 これは、この界隈に限ったことではありません。きっとどこの界隈も同じような現状なのだと思います。

 「にわか」「新規」「古参」。その言葉に惑わされてはいけません。少なくとも私はそう思ってオタ活をしています。
 にわかで結構。新規で結構。一番大事なのは好きかどうか、応援したいコンテンツかどうか。

 だから、気になったらやってみればいいのです。周りに合わせる必要なんてありません。自分の推しを自分の推し方で推せばいいんです。簡単な事なのです。


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