マイトン氏ショートショート『モンブラン失言』アンサーショートショート
マイトン様
夜はなるべく眠れなくなるような面白い記事を読まないようにしているのですが、うっかりマイトンさんのショートショートを読んだら妄想が広がって、うっかりアンサーショートショートを書いてしまいました。
勝手にすみません。
以下は、マイトンさんのショートショートを受けてのショートショートになります。ショートシュートって響きも可愛いですが、たくさん並べると字面が可愛いなってことに今気がつきました。
マイトンさんのショートショートはたらはかにさんの企画に沿うものでしたので、私のショートショートも何となく乗っからせていただけますと幸いです。
あと、ここまでに出てきた「ショートショート」の中に、一つだけ「シュート」が混じっていることに気づいたあなたは校閲度85%です。おめでとうございます。
以下、アンサーショートショート、419文字です。
マイトンさんのショートショートを読んでいないと、わけがわからないショートショートです。
前はショートケーキって言ったじゃない。
あなたいつもそう。
私が何を聞いても眉間に皺を折り込んで、ため息吐くよりイヤそうに答えを呟くの。
ねぇ、気づかない?
私の髪が短くなったこと。
脱ぎ捨てた靴下が、きれいに洗って畳まれてること。
私がラテックスアレルギーになって、去年から大好きな栗を食べていないこと。
どうして部屋の中で手袋をしているのかも、洗ったばかりのお気に入りのソファカバーを外したのかも、気づくわけないわよね。
あなたはこの部屋にいる間、握られた端末の中にいる。
そんな暗いところでダメよって言ったけど、もうその板の中に入った後だった。
だから分かりやすく30歳のお祝いをしてあげたの。
三途の川の字に蝋燭を並べて。
最後に見たあなたの顔、きっと一生忘れない。
モンブランの糸みたいな曲線で泳ぐ煙の向こう側、濁る目でまっすぐ私を見てくれた。
「モンブラン失言」
そう聞こえた。
面白いから何のことか聞こうと思ったけど、あなたはもう、天井しか見ていなかった。
おしまい。
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